洗剤を使用した水洗いでも消えないシミは、一般的に漂白剤を使用してのシミ抜きを行うことになります。
しかし、汚れているからといって、何でもかんでも漂白剤に浸けてしまえばいいという考え方では、大事な衣類を変色させてしまったり、生地を傷める原因にも。
そこで、漂白処理を始める前には先ず、目立たない場所で必ず「漂白テスト」を行うようにしましょう。
方法は以下の通りです。
- 綿棒などを使い、衣類の目立たない部分に酸素系漂白剤を少しだけ塗ります。
- 衣類に塗った漂白剤の反応を高めるために、ドライヤーで加熱します。
その結果、脱色していなければ漂白テストはクリアーです。
基本的に、漂白剤を塗った部分が色ハゲ(脱色)しなければ問題ありませんが、もし脱色が発生した場合は、漂白剤を使ってのシミ抜きはお止めください。
※漂白テストを行わずに衣類を傷めてしまったという体験談は多く寄せられていますので、面倒くさいかもしれませんが、必ず行うようにしましょう。
この時に使用する酸素系の漂白剤は、オキシドールでも代用できます。
一方、塩素系の漂白剤は、衣類の染料まで脱色してしまう作用があるので、真っ白な衣類以外には使用を控えましょう。
一度脱色して白くなった部分の色は元に戻すことができないため、くれぐれもご注意ください。
※漂白剤が手に付着すると、少しヒリヒリとした痛みを生じることがありますので、特に皮膚の弱い方などは肌に直接漂白剤が触れないようにしてください。
※肌についても人体に大きな問題ありませんが、気になる場合はゴム手袋などを使用してください。
漂白による正しいシミ抜きの方法
①シミの部分に漂白剤を塗ります
衣類の裏に漂白剤が付着することを防ぐため、シミの下にいらなくなった古いタオルなどを敷きます。
漂白剤を塗るものは、シミの大きさに合わせて使いやすいものを選んでください。
■大きいシミにおすすめ…しみ抜き棒、スプレー
■小さいシミにおすすめ…綿棒、ナイロン筆
色柄物の場合は、漂白部分を最小限に抑えるために、シミ部分からはみださないように綿棒や筆を使って塗るのがコツです。
この際に使用する綿棒ですが、個人的には100円ショップの商品は水に弱くすぐに折れてしまうといった印象があります。
失敗したくない方は、100円ショップの綿棒は避けたほうが良いかもしれません。
②シミ部分をドライヤーで加熱します。
ドライヤーは、シミ部分から約10~15センチ離し、加熱時間は約5秒~10秒くらいを目安にしてください。
加熱中もシミ部分から目を離さず、シミの取れ具合や地色の変化をよく確認するようにしましょう。
もし、色はげが起きてしまった時はすぐにドライヤーによる加熱を止め、水で洗い流してください。
ドライヤーによる熱の温度が高ければ高いほど、漂白力もたかまりますが、同時に色はげが起こりやすくなります。
理想の過熱温度は、50℃~60℃以内。
60℃を超えると色はげが発生する可能性が高まりますので、特に色柄物の衣類の場合は注意してください。
ドライヤーの機種にもよりますが、大体1200wのドライヤーで、約10~15センチ離せば、50℃~60℃の温度になります。
ちなみにドライヤーを10cm以内に近づけた時の温度は約70℃~80℃以上と大変高温です。
そのため、必ず衣類から10~15センチは離すようにしましょう。
プロのクリーニング店でも、50℃~60℃の温度を目安に、漂白の染み抜きが行われています。
漂白のシミ抜きは、慌てず慎重に進めることがポイントです。
そして、漂白前には必ず目立たないところでの漂白テストを忘れずに行いましょう。
③シミが取れるまで、ドライヤーによる加熱を繰り返します。
少しでもシミが薄くなるまで、②の方法を2~3回繰り返します。
シミ抜きで大切なことは、シミ部分が少しでも薄くなるのなら、同じ処理を繰り返すことです。
プロのクリーニング店でも、染み抜きが上手なお店はこうした処理を何度も繰り返しおこなっていますので、ご家庭での染み抜きでも同じことが言えます。
根気強く繰り返しましょう。
④シミが取れたら、それそれの衣類に合った方法で洗濯します。
シミが取れた衣類は、それぞれの衣類に合った洗濯方法で洗濯を行ってください。
洗濯や乾燥後になると、シミは取れにくくなるため、シミ抜きは基本的に洗濯前に行うように心がけましょう。
つけ込み漂白によるシミ抜き方法
規定の使用量で漂白液を作り、洗面器やタライなどにしばらく衣類をつけ込みます。
時々、衣類の様子を確認してください。
その後、そのまま漂白液ごと洗濯機に入れて洗います。
また、頑固なシミの場合は、酸素系漂白剤をシミ部分に塗り、しばらく放置後に上記の方法でつけ込みするのも有効です。
なお、敏感肌の方は、漂白剤を使ってのつけ込み洗いをした後にはハンドクリームを塗って保湿してくださいね。