「では、こちらの書類にサインか捺印を…」
ビジネスの場において、サインと捺印は切っても切れない関係にあります。
特に、世界的に見ても稀なくらい「ハンコ文化」が発達した日本では、サインと共に何かにつけて捺印を求められる機会というのが非常に目立ちますよね。
契約書を書いた時にも、ポン。
部屋を借りる時にも、ポン。
そして借金をする時にも、ポン…
そんな、サインと捺印を行う際に必要となるのが、「朱肉」と「ボールペン」です。
朱肉とボールペン…どちらもビジネスマンにとっては必須アイテムですが、ふとした気の緩みからスーツやワイシャツにそれらの汚れをつけてしまうと、非常に落ちにくいシミになってしまいます。
朱肉のシミは、ご家庭でも除光液かクレンジングオイルを使用して落とすことが可能ですが、朱肉はシミの中でも特にガンコな部類に入るため、プロのクリーニング店にお任せするのが一般的です。
一方、ボールペンの場合は、インクによってシミの性質が油性と水性に分かれるため、ご家庭の洗濯で一概に「落ちる・落ちない」ということはできません。
ただし、ゲルインクを使ったボールペンのシミだけは、ご家庭では落とすことができない汚れになりますので、もし汚してしまった場合には、プロのクリーニング店にお任せするようにしましょう。
シミ抜きの始まりは「色落ちテスト」から
朱肉のシミとボールペンのシミ。
どちらの汚れもご家庭でシミ抜きをしたいという方は多いと思います。
そうした際には、シミ染み抜きを始める前に以下の方法で必ず色落ちテストを行ってください。
- 白いタオルに洗浄液をつけます(朱肉の場合は除光液)
- 洗浄液(除光液)をつけたタオルで、衣類の目立たない場所をトントンと軽くたたきます。
- タオルに色がつかなければ大丈夫ですが、色が付着した場合はご家庭でのシミ抜きを控え、お近くのクリーニング店にご相談ください。
クリーニング店任せにしないで朱肉のシミを取る方法
さて、ここからは実際に、ご家庭でも出来る除光液を使った朱肉のシミ抜き方法をご紹介していきたいと思います。
①除光液、またはクレンジングオイルを使用する
朱肉のシミ抜きには除光液を使用しますが、素材にアセテートやトリアセテートを使った衣類の場合は除光液の使用をお控えください。
除光液がない場合は、クレンジングオイルで代用することもできます。
②除光液(クレンジングオイル)を歯ブラシなどに付け、朱肉のシミ部分をやさしくたたきます。
歯ブラシの他にも、状況によって綿棒や染み抜き棒などを使い分け、朱肉のシミをやさしくたたきましょう。
この時、衣類によっては「擦れ」や「脱色」が起こる場合もありますので、指や綿棒などでやさしくシミ部分をほぐすなど、衣類へダメージを与えないように注意してください。
また、除光液を使用する時は十分に換気を行い、火気厳禁でお願いします。
それでもシミが取れない場合は、シミ部分に台所洗剤をつけ、手でもみほぐしましょう。
③朱肉のシミ部分を簡単に水ですすぎます。
④朱肉のシミが取れていれば、その後、衣類に合った方法で洗濯を行います
クリーニング店任せにしないでボールペンのシミを取る方法
では次に、ボールペンのインクジミのシミ抜き方法をご紹介します。
※ここでご紹介しているのは、油性と水性のインクジミを対象にした方法です。
ゲルインクのボールペンで付けてしまったシミの場合は、クリーニング店のプロにお任せしてください。
①ボールペンのシミ抜き剤を作ります。
ボールペンのシミは主に油性のシミになりますので、薬局やドラッグストアーなどで販売されている消毒用エタノールと、台所用中性洗剤を同量混ぜてシミ抜き剤を作り、それを使用します。
②ボールペンのシミ部分を裏返しにして下にタオルやキッチンペーパーを当て、ボールペンのシミ部分に直接当てます。
その後、作成した染み抜き剤を綿棒や染み抜き棒につけて上からトントンたたき、インクのシミを下のタオルやペーパーに移していきます。
この時、衣類によっては「擦れ」や「脱色」が起こる場合もありますので、指や綿棒などでやさしくシミ部分をほぐすなど、衣類へのダメージを極力与えないように注意してください。
衣類により歯ブラシなどを使用しても構いません。
③ボールペンのシミ部分を簡単に水ですすぎます。
もし、「輪ジミ」が発生した場合は、洗剤を付けてから揉みほぐしてください。
④ボールペンのシミが取れていれば、その後、衣類に合った方法で洗濯を行います。
シミ抜きの基本は、シミを付けてから出来るだけ早い段階で処理を行い取り除くこと。
さらに言うと、シミ抜きは洗濯後や乾燥後に行っても効果が薄いため、シミ抜きは洗濯前に行うのが理想と言えます。
今回ご紹介した「朱肉のシミ」と「ボールペンのシミ」は、どちらも難易度が高いシミ抜きとなります。
ご自分で洗うことに自信が無い場合や、大切な衣類を扱う時は無理にシミ抜きを行わず、クリーニング店にお願いするようにしましょう。