しかも、綺麗に落とすには正しい手順を踏むことが絶対条件。
そこを間違えると、さらに落ちにくく厄介な存在となってしまいます。
そこで今回は、ご家庭でもできるミルクや母乳の黄ばみを落とす正しい洗濯方法をご紹介します。
ポイントは“たんぱく質”の除去にあり
インターネットの情報サイトや掲示板を見ていると、皆さん同じようにミルクや母乳の黄ばみ落としに手を焼いているようで、様々な方法を試されています。
ミルクや母乳がなぜ落としにくいかというと、それはたんぱく質が多く含まれているシミだから。
たんぱく質は時間の経過とともに固まって繊維に固着し落ちにくくなります。
そのため、ミルクや母乳の黄ばみを落とすには、先ずたんぱく質の除去が絶対条件となります。
たんぱく質を残したまま漂白処理をしても、望むような効果は得られないのです。
そこで多くの方は、以下のような方法を取り、シミ抜きにチャレンジしているようです。
- 固形石鹸で洗う
- 酵素入りの洗剤に漬け込む
- 仕上げに酸素系漂白する
- 普段通りに洗濯する
また、上記の方法以外では、鍋に水と洗剤と漂白剤、そして洗濯物を入れ、料理のようにグツグツ煮て汚れを落とす”煮洗い”を試す方が多く見られます。
煮洗いに関しては「キレイになった!」という声が非常に多いのですが、この方法は生地に与えるダメージが大きいため、デリケートな繊維を使用している赤ちゃん用の衣料品には、あまりおすすめできません。
また、気をつけて頂きたいのが、シミに必要以上の熱を加えること。
たんぱく質には熱を加えると固まる性質があるため、非常に落としにくくなります。
これはミルクや母乳に限らず、血液の場合も同じですので、ご注意ください。
汚れ落ちが良さそうだからと、熱湯を注いでしまっては完全なる逆効果。
従って、たんぱく質(汚れ)を残したまま高温のアイロンを掛けたり乾燥機に入れる行為もご法度なのです。
実際にミルクの黄ばみを落としてみる
上記でご紹介した方法に沿って、実際に洗濯してみたいと思います。
1.固形石鹸を使う
まずはシミ部分を濡らし、固形石鹸をつけます。
馴染ませたらもう一度念入りに揉み洗いしていきます。
よく濯いだら、次の工程に移りましょう。
2.酵素入りの洗剤につけ込む
次は酵素入りの洗剤で、たんぱく質を取り除きます。
50度ほどの温水に酵素入りの洗剤を溶かし、漬け込んでいきます。
漬け込む時間はシミの状態によっても異なりますが、30分から長くても2時間程度です。
この時、なるべく温度を保ったほうが効果的なので、発泡スチロール素材など保温性の高い容器を使用し、必要に応じてお湯を継ぎ足します。
最初に触れた通り、ミルクや母乳の黄ばみを落とすには、たんぱく質の除去が絶対条件となります。
そのため、このたんぱく質を除去する工程がもっとも重要なのです。
たんぱく質を撃退しない限り、黄ばみに勝つことはできません。
漬け込み以外の方法としては、酵素入りの洗剤につけた後ラップで挟み込み、浸透させるという手もあります。
どの方法を選ぶにしても、時間をかけた酵素の働きでしっかりたんぱく質を分解させることが重要です。
3.酸素系漂白剤を入れる
工程2の段階で、たんぱく質汚れがしっかり除去できていれば、ここで酸素系漂白を行っても大丈夫。
驚きの白さを体感してください!
ミルクと母乳で違いはあるの?
ミルクや母乳による黄ばみの汚れは、このように徹底したたんぱく質の除去を目標に行っていきます。
地味で少し手間のかかる作業ではありますが、同時に何枚もの衣類を漬け込むことができるので、一度の洗濯で処理を済ませることが可能です。
繰り返しになりますが、いきなり漂白してもミルクや母乳による黄ばみは落とすことができません。
時間をかけてしっかりとたんぱく質を取り除くことで、初めて漂白剤の力が発揮されるのです。
ちなみに、今回はミルクと母乳を同じ扱いのもと、黄ばみ落としの方法をご紹介させて頂きましたが、厳密に言うとミルクと母乳は含まれる成分が微妙に異なり、たんぱく質の量に関してはミルクの方が上というケースが多くなっています。
しかし、現在のミルクは限りなく母乳に近い成分で作られており、どちらの黄ばみであっても今回の方法で落とすことは可能です。
今回の方法は水洗いできるお洋服に限った落とし方になりますので、洗濯前に必ず衣類の表示を確認するようにしてください。
また、シミの状態や付着してからの時間によって、必ずしも同じ結果になるとは限らないことをご了承ください。
生まれたばかりの赤ちゃんにとって、ミルクや母乳は唯一の栄養源。
愛らしくゴクゴクと飲む姿に、私たちは何とも言えない幸福感と安心感を覚えるものです。
でも、ミルクや母乳で汚れた肌着…そこに出来たシミや黄ばみは、汚れの中でもかなり落としにくいレベルのツワモノです。