朝、起きたら目覚めに先ず1杯。
そして、食事を済ませてタバコ片手にまた1杯。
さらに、会社に付いてホッと一息また1杯…
ザ・コーヒーブレイク。
それは、現代人のカサついた心に、束の間の安らぎを与えてくれる至福の瞬間。
日々、時間とノルマに追われる多忙な企業戦士でさえ、そのひと時だけは己の傍らに剣を置く…
が、しかし…
そんな静寂を打ち破るかのように、「アイツ」は突如として私たちにキバを剥くのです。
「…!!ワ、ワイシャツにコーヒーが~っ!!!」
これから控えた重役会議。
社運が掛かった一大プロジェクトを一手に担うあなたはそこで大慌て。
コーヒージミが広がるワイシャツを着たままのプレゼンでは、説得力の欠片も感じられません。
でも、ご安心ください!
「付いたら落ちにくいシミ」と思われがちなコーヒーのシミですが、実は水で比較的簡単に落とすことができます。
コーヒーのシミは「水溶性」で水に溶けやすいため、水洗いと台所用洗剤の組み合わせだけで取り除ける場合がほとんどなのです。
しかし、それもシミがついて直ぐのこと。
コーヒーのシミは時間が経つと酸化して「漂白のシミ」に変化しやすいため、汚れが付いたら出来るだけ早くシミ抜きの処理をする必要があるのです。
「色落ち」という二次被害を未然に防ぐために
ちょっとした気の緩みからワイシャツにつけてしまったコーヒーのシミ。
一刻も早く汚れを取り除きたいお気持ちは、お察しいたします。
ですが、そのワイシャツが色柄物である場合は、次にご紹介する方法で事前に必ず色落ちテストを行うようにしましょう。
- 白いタオルに洗浄液をつけます。
- 洗浄液をつけたタオルで、ワイシャツの目立たない所をトントンと軽くたたきます。
- タオルに色がついたら、その衣類は家庭での洗濯で色落ちしてしまいます。
この色落ちテストで色がついた場合は、ご家庭でのシミ抜きを控え、お近くのクリーニング店にご相談ください。
試してみよう!ワイシャツに付いたコーヒーのシミ抜き方法
さて、ここからは実際にコーヒーのシミ抜き方法についてご紹介していきます。
ここでは引き続き、ワイシャツを使ってご説明いたします!
①コーヒーのシミが付いた部分を軽く水で濡らし、台所用の中性洗剤をつけます
使用する洗剤は基本的にどんな洗剤でも構いませんが、使いやすさという観点から言うと、台所用の中性洗剤がベストでしょう。
アルカリ洗剤だと衣類の色落ちがしやすくなるので、ここはやはり中性洗剤がおすすめ。
蛍光剤入りの洗剤を使用する場合は、衣類によって色目が変わることもありますので、注意が必要です。
綿やポリエステルといった素材の場合は、洗剤を衣類に直接かけても構いません。
それ以外のデリケートな素材の場合は、洗剤を少し水で薄め、染み抜き棒で優しくトントン…とつける方法がおすすめです。
②コーヒーのシミが付いた部分を揉みほぐします
衣類の素材が綿やポリエステルの場合は、コーヒーのシミが付いた部分を手でクチュクチュと揉みほぐします。
デリケートな素材の場合は、染み抜き棒や歯ブラシなどを使用し、シミの範囲が小さい場合は綿棒の使用がおすすめです。
一度試してみて効果があまり感じられなかった場合は、同じ処理を繰り返すことで汚れ落ちが良くなります。
また、洗剤をつけしばらく放置するのも、有効です。
ただし、デリケートな衣類の場合はスレや色落ちが起きやすいので、手で揉むことはお控えください。
デリケートな衣類のシミ抜きには、シミ抜き棒を使用します。
シミ染み抜き棒を使用する時の注意点は、下の生地が濡れないように裏側にタオルを入れ、優しくトントン…と叩くこと。
洗剤が乾いてきたら途中で付け足しながら、少しずつ進めてください。
③コーヒーのシミが付いた部分を水ですすぎます
コーヒーのシミが付いた部分を、水で軽くすすいでください。
もし、シミがまだ薄く残っているのであれば、①の処理を繰り返すことでより高い効果が望めます。
その後、コーヒーが付いたシミ部分を確認し、シミが取れていれば⑤に、シミが残っている場合は④の行程にそれぞれ進んでください。
④水ですすいだ後もコーヒーのシミが残っている場合は、漂白剤を使用します
漂白剤の使用にあたって特に注意する必要があるのは、色はげです。
従って、漂白剤を使用してシミ抜きを行う場合は、必ず目立たない場所で漂白テストを行うようにしましょう。
方法は以下の通りです。
- 綿棒などを使い、衣類の目立たない部分に酸素系漂白剤を少しだけ塗ります。
- 衣類に塗った漂白剤の反応を高めるために、ドライヤーで加熱します。
- その結果、脱色していなければ漂白テストはクリアーです。
基本的に、漂白剤を塗った部分が色ハゲ(脱色)しなければ問題ありませんが、テストの結果、もし脱色が発生した場合は、漂白剤でのシミ抜きはストップさせてください。
この時に使用する酸素系の漂白剤は、オキシドールでも代用できます。
一方、塩素系の漂白剤は、衣類の染料まで脱色してしまう作用があるので、真っ白な衣類以外には使用を控えましょう。
一度脱色して白くなった部分の色は元に戻すことができないため、くれぐれもご注意ください。
⑤コーヒーのシミが消えていた場合は、そのまま衣類に合った方法の洗濯に移ります
水ですすいだ後にコーヒーのシミが消えていることを確認できたら、そのまま洗濯機を使用して衣類に合った方法で洗濯を行いましょう。
洗濯や乾燥後になると、シミは取れにくくなるため、シミ抜きは基本的に洗濯前に行うのがベストです。