「…あれ?私、こんなピンク色のシャツ持っていたかしら…」
「…!?違う!これは“色移り”よ…!!!」
後悔しても、時既に遅し。
これは、洗濯前に色落ちしやすい衣類とそうではない衣類とを分けずに、そのまま洗濯器へ入れて洗ってしまったことに原因があります。
中でも、白い衣類と一緒にしてしまった時の色移りは特に目立つことになるでしょう。
このような色移りによる失敗を防ぐためには、洗濯機を回す前にしっかりとした衣類の仕分けを行うことが非常に大切です。
洗濯前の仕分けにはメリットがいっぱい
洗濯の際に、色物の衣類と白い衣類をしっかり分けて洗うと、色移りの防止以外にも次のようなメリットがあります。
✔汚染を防止できる(別の衣類の汚れが違う衣類に再付着すること)
✔ポケットの中の異物に気づきやすい(ボールペンやティッシュなど)
✔ペットの毛・糸くずなどの付着を防止できる
✔破れやスレに弱い衣類を分別できる
洗濯前に細かく衣類を仕分けるのは確かに面倒な作業ですが、うっかりミスから「色移り」が起きてしまうと、残念ながらご家庭の洗濯では汚れを落とすことが難しくなります。
しかし、仕分けと言うひと手間を惜しんだことで後に待ち受ける悲惨な状況と、それを処理しなければならない労力を天秤にかけると…「事前に仕分けをしておこう…」という気持ちにもなりますよね。
他にも、ひどく汚れている服を仕分けせずに洗ってしまうと、逆に汚れが付着してしまう「逆汚染」が起きたり、ポケットにボールペンなどの異物が入ったまま洗濯機を回してしまった結果、他の衣類がインクまみれになってしまったといったケースの報告は多々あります。
こうした事態も、事前の仕分けさえしっかりしておけば、その段階で十分に気づけるチャンスはありますので、仕分けの際にはポケットの中も一緒に確認しておくようにしましょう。
また、仕分けは糸くずなどの付着防止にも効果的です。
良くありがちなのが、ペットの毛が付いている衣類をそのまま洗濯機に入れてしまうこと。
そうすると、他の衣類にもペットの毛が付着してしまい、後処理に時間と手間をかけてしまう結果に。
厚手の衣類と薄手の衣類も仕分けせずに洗ってしまうと、衣類同士の絡みが起きて生地の損傷に繋がりますので、仕分けをすることにより「破れ」や「擦れ」などを防止することも可能です。
ちなみに、こうした仕分けはプロのクリーニング店でも、しっかり行われています。
ドライクリーニングや水洗いといった洗濯方法の違いに関係なく、衣類の特性や汚れ具合に合わせて適切な仕分けをして洗っているのです。
クリーニング店によっては、洗濯物をより綺麗に優しく洗うために、衣類の汚れ具合や素材に合わせて洗浄温度や時間、洗剤などを変えるといった工夫がなされています。
これで完璧!上手な衣類の仕分け方
ご家庭でも洗える洗濯機マークや手洗いマークが付いた表示タグの衣類は、基本的に次の3つの方法で仕分けします。
ただし、綿・ポリエステル・ナイロン・アクリル以外の衣類は、なるべく手洗いすることをおすすめします。
①「色柄もの」と「白いもの」を分ける…色移りの防止・糸くず付着の防止
色の濃い柄ものをご家庭で洗う場合は、はじめに色落ちテストを行い、色移りの防止を行ってください。
色落ちテストで色がでた場合は単品で洗うか、クリーニング店でプロにお任せするようにしましょう。
②「ひどく汚れたもの」と「汚れていないもの」に分ける…逆汚染の防止
ひどく汚れている衣類は、2度洗いが基本です。
この時、1度洗ったひどく汚れた衣類は、脱水をしてから洗濯機を一度止めます。
その後に、汚れていない洗濯物と洗剤を入れて洗うと効率的です。
ひどく汚れている衣類が少ない場合は、桶や洗面器を使用してつけ置き洗いをするとよいでしょう。
③洗濯ネットを利用する…傷みや破れの防止・色くず、色移りの防止
デリケートな素材の衣類や、ヒモなどの飾りが絡みやすい衣類は、洗濯ネットに入れて洗うようにしましょう。
洗濯ネット入れると、他の衣類との絡まりを防いだり、型崩れの防止にも効果的です。
また、衣類への糸くずの付着や色移りもある程度抑えることができるので、洗濯ネットを上手に活用していくことで、対応できる洗濯の幅が広がります。
また、以下のような衣類に関しては、特に洗濯ネットを使用しての洗濯がおすすめです。
✔ブラウス類
✔生地が薄い衣類
✔下着、ひも付きの衣類
✔ニット類など
各家庭によって洗濯ものの量は様々。
洗い物の多い小さなお子さまがいるようなご家庭では衣類の数も多いため、洗濯前に細かな仕分けするのは手間も掛かりますし、面倒で大変な作業かもしれません。
ですが、洗濯前の仕分けとは、大切な衣類を正しく洗う為には欠かせない作業なのです。
仕分けのポイントを把握して、効率的な洗濯ができるように心がけてくださいね。