暑い夏がようやく終わりを向かえ、やっと過ごしやすい季節に突入!…と思ったのも束の間、今度はあのイヤ~な“バチバチ”…そう、「静電気」に悩まされる季節になってしまいました。
空気が乾燥する秋から冬にかけては静電気が発生しやすく、衣類の着脱時に思わず「イタッ!」と叫んでしまう方も少なくないはず。
中でもニット素材の物やウールのセーターなどを着ている時は、ドアノブに触るだけで火花が散ることも…
また、静電気は体に溜め込み過ぎると不調を来たすとも言われています。
何かと厄介な静電気…毎日の“洗濯”を通して予防する方法はないものでしょうか?
静電気が起こるメカニズム

そもそも、あのイヤな“バチバチ”はどうして発生してしまうのでしょう?
簡単に言うと、生地の繊維同士が擦れ合うから。
その際、一方はプラス、もう一方はマイナスの電気を帯びる“帯電”という状態になります。
帯電したものは互いに引きつけ合う性質があるため、スカートがまとわり付くなどの現象が起こります。
この時、帯電している衣類を脱ぐと静電気が放電されるため、あの“バチバチ”が発生してしまうのです。
ちなみに、ドアノブなどの金属に触れた時に散る火花は、体に帯電した静電気が放電される時に起こります。
洗濯洗剤で静電気を防止
上記のメカニズムを知ると、自ずと静電気を防ぐ方法というのが見えてきます。
答えは簡単、「生地同士が擦れ合う状況」を作らなければいいのです。
しかし、衣服を身につけて生活する以上それは極論に過ぎず、あまりに非現実的と言わざるを得ません。
よく、「自作のパソコンを組み立てる際は、一糸まとわぬ姿で行うのが一番」という話がありますが、つまりはこれも衣服に帯電した静電気の影響を避けるため。
パソコンを組み立てる間くらいならハダカでも問題無さそうですが、日常生活ではそうも言ってられません。
そんな時に試してみたいのが、洗濯洗剤類を使った静電気防止策です。
柔軟剤入りの洗剤や静電気防止剤(スプレー)には、電気を外に逃す働きを持った成分を含むものがありますので、洗濯時にそれらの仕上げ剤を用いることで静電気がたまりにくくなります。
また、柔軟剤には繊維同士の滑りを良くする働きがあります。
つまり、滑りが良くなるということは、それだけ摩擦が起きにくくなるということですので、静電気の発生自体を抑えることができます。
同じように、静電気防止スプレーによるまとわりつきの防止も、摩擦の軽減に効果的です。
では、実際にそれらを使用する際のポイントを見ていくことにしましょう。
柔軟剤入り洗剤

指定された使用量の目安に従い、洗いの最初の段階で適量を入れて洗濯を行います。
すすぎと脱水が終わったら、シワを伸ばすようにして干します。
洗剤は多すぎても少なすぎてもいけません。
少ないと汚れ落ちが悪くなりますが、逆に多いとすすぎの効率が悪くなる恐れがありますので、適切な量を使用するのがポイントです。
柔軟剤

柔軟剤による静電気防止効果を十分に発揮させるには、投入するタイミングが重要。
洗剤と一緒に使うと効果が薄れてしまいますので、全自動洗濯機の場合は柔軟剤投入口に、二層式洗濯機または手洗いの場合は、すすぎの水が綺麗な段階で適量入れるようにしましょう。
さらに、干すときにはしっかりシワを伸ばしておくと、静電気防止効果に加えて、衣類の乾燥時間を短くすることができます。
静電気防止剤(スプレー)

使用量は、ジャケットやスカート全体の静電気防止。で10秒くらい、スカートのまとわりつき防止で2秒くらいが目安。
衣類から20cmほど離し、服を着る前もしくは外出する前に、特に静電気が発生しやすい(生地が擦れやすい)場所に、均一にスプレーしましょう。
ただし、ここで注意点がひとつ。
着ている衣類へのスプレーは、必ず自分で行ってください。
他人がスプレーすると、まれに静電気による火花が発生し、衣類を焦がす恐れがあります。
プロに任せるのもひとつの方法
帯電による不快な“バチバチ”を防止するもうひとつの方法は、プロのクリーニング店に衣類を持ち込むことです。
クリーニング店によっては、“静電気防止加工”というサービスを行ってくれるところがあります。
静電気を逃がすための“帯電防止剤”を塗り、衣類に含ませることで、パチッとする不快な痛みだけでなく、ホコリなどが付着したり、衣類が身体にまとわりついたりする現象を防ぐことができます。
店舗によって異なりますが、スカート・ジャケット・セーター・ズボン類 で300円~、コート・オーバー・ジャンパー類 で500円~ほどの料金で受け付けているところが多いようですので、一度プロの技を試してみるのもおすすめです。
必要以上に香りがつくのを嫌い、「普段は柔軟剤を使わない」という方でも、柔軟剤成分の入った“柔軟剤入り洗剤”を使えば、通常洗いで静電気を軽減させられます。
乾燥しやすいこれからの季節は、洗濯を通して上手に静電気とお付き合いしていきましょう。