炊事や掃除、買い物などと共に、日常生活を円滑に進める上で欠かせない家事のひとつである“洗濯”。
常に綺麗で清潔が漂う衣類は、心身を健やかに保つだけではなく、ビジネスの場においては良好な人間関係を築くために必要な最低限のマナーとも言えます。
ところが、日常的にこまめな洗濯を心がけていても、ニオイや汚れ落ちに関する悩みや問題というのは、どうしても出てきてしまうもの。
汚れであれば目に見えている分、状況に応じた処理方法で対処が可能ですが、厄介なのは目視で確認することができない“ニオイ”です。
そこで今回は、イヤなニオイの原因となる“菌”を防ぐ洗濯方法にスポットを当ててみたいと思います。
衣類を菌から守る方法その1~濡れている洗濯物を溜め込まない・放置しない
イヤなニオイの元となる菌を増殖させる原因物質は、水分(湿度の高さ)と汚れ(栄養分)です。
従って、洗濯物の汚れをしっかり落とすことはもちろん、洗濯物を濡れたまま溜め込んだり、放置したりすることを避け、菌が増殖しにくい環境を整えることが重要です。
- 汚れ物をある程度ためてからまとめて洗濯する
- 濡れている汚れ物と乾いている汚れ物を一緒に保管する
- 洗濯が終わった衣類を時間が経ってから干す
- 同じタオルやハンカチを数日に渡って使用する
これらはどれも、ついついやりがちな行為ですが、これらは全て菌の増殖に繋がります。
得に、タオルやハンカチ類は、一度(一日)使っただけでも菌は付着していますので、その都度こまめな取替えと洗濯を心掛けましょう。
また、上記と同様の理由から、洗濯物を保管する場合は洗濯機の中ではなく、風通しのよいカゴなどを使うのがおすすめです。
脱いだ衣類を洗濯機の中へポイ…というのは、どこのご家庭でも見られる光景ですが、洗濯槽の中は冬場でも湿度が高く、さらに洗濯物が濡れたり湿っていたりすると、菌が増殖してニオイが発生する環境としては、まさにうってつけなのです。
衣類を菌から守る方法その2~洗濯機の容量の7割から8割で洗濯
洗濯機で汚れが落ちる仕組みを簡単に言うと、水の中で洗濯物が勢い良くかくはんされるため。
従って、洗濯機の中に洗濯物を入れすぎるとかくはんが上手く行われず、汚れ落ちが不十分になります。
洗濯機にはそれぞれ“容量”が決められていますが、一番効率的に洗うためには規定量の7割から8割程度に抑えるのがベスト。
容量が6kgの洗濯機の場合、6kgの洗濯物を1回で洗うのと3kgの衣類を2回に分けて洗うのを比較すると、電気代や水道代に大きな違いはありませんが、汚れ落ちの面では後者の方が効率的です。
衣類を菌から守る方法その4~風通りのよい場所で干す
濡れた洗濯物をスピーディーに乾かしたい時は、“風通り”を意識することが大切です。
たくさんのピンチがついた角ハンガーなどは、多くの洗濯物を一度に干すことが出来る便利アイテムですが、短所はどうしても風通りが悪くなるという点。
角ハンガーを使う時は、洗濯物がアーチ状になるように干し、風の通り道をつくるようにしましょう。
その際は、干し方にも注意が必要です。
「風通りが良さそうだから」と、角ハンガーをカーテンレールに引っかけている方はいませんか?
実はそれ、乾き具合からいうと全くの逆効果。
窓際や壁際は、室内で一番風通りが悪い場所になるのです。
また、雨天時などは洗濯物がなかなか乾かないことから、雑菌が繁殖して生乾きの嫌なニオイを発しやすくなります。
そんな時は扇風機を活用することで乾燥時間を短縮させられるだけではなく、菌の発生を抑えることができます。
衣類を菌から守る方法その5~洗濯槽を清潔にする
洗濯物の仕分けや保管方法、干し方などに気を使っていても、肝心の洗濯機自体が汚れていては意味がありません。
洗濯機を購入してから、「洗濯槽の掃除を一度もしていない」という方はいませんか?
そんな方は、一度洗濯槽をお手入れしてみることをおすすめします。
条件によっても異なりますが、使用直後の洗濯槽には主に人間の体に由来する菌が数十~数百個くらい付着していると言われています。
菌の繫殖力は凄まじく、その数は30分に1回程度の割合で2倍に増え、1日あれば数千万個にも膨れ上がるという驚きの結果に。
前日はそうでもなかったのに、次の日の朝に洗濯機のふたを開けると、イヤなニオイが鼻を突くことがあると思います。
これは、洗濯槽の中で増殖した菌の仕業と考えられます。
どれだけ気を使って洗濯してもイヤなニオイが消えないときは、洗濯槽の汚れを疑ってみてください。
現在は、簡単に洗濯槽のお手入れができる洗濯槽クリーナーも各社から発売されていますので、一度試してみることをおすすめします。
衣類を清潔に保つ洗濯の基本は、洗濯槽の清潔さを見直すところからはじめてみましょう。