衣類を害虫による食害から守る防虫剤。
ひと口に防虫剤といっても店頭には色々な種類が並んでおり、その効果・違いも私たち素人ではなかなか理解が難しく、どれを選んだら良いのか迷いがち。
それでも唯一わかる違いは、「匂付きの物とそうでない物」があるということくらいではないでしょうか?
防虫剤の匂いは独特なので、苦手な方も多いはず。
最近は“ピレスロイド系”と呼ばれる無臭タイプの商品も増えてきましたので、衣服に臭いを付けたくない方はそちらを選ぶと良いでしょう。
しかし、無臭とは言え虫を駆除する“防虫剤”という事実に変わりはないため、若干の毒性を持ち合わせます。
そうした点が気になる場合は、体に害がない防虫剤を手づくりしてみてはいかがでしょう?
その名も、“自然派アロマ防虫剤”です!
先人も利用したアロマの香り
ヨーロッパでは中世の頃から既に、シーツをラベンダーやローズマリーの株の上に干して香りをつける習慣があったそうです。
こうした手法は、現代の衣類事情にも応用させることができます。
抗菌効果はもちろん、衣類を優しい香りにしたい時は、以下のような精油を使うと効果的です。
■衣類におすすめの精油
- ペパーミント
- ハッカ
- ユーカリ(グロブルス、ラジアータ)
- ティーツリー
- ラベンダー
- ローズマリー
- シオネール
カモミール、ジャーマン、ジャスミンなど色が濃い精油は色移りの危険性があるため、おすすめできません。
試してみよう!自然派アロマ防虫剤の手づくりレシピ
■防虫効果のあるサシェ(匂い袋)
- シダーウッド(レッドまたはアトラス) 3滴
- ラベンダー 2滴
- パチュリー 1滴

レースのハンカチや袋に精油を含ませたコットンを入れ、タンスやクローゼットなどにお使いください。
袋はお茶パック用の不織布でも代用できます。
■洗濯物に香りを付けて臭いを防止したい時
- 重曹 50g
- 洗濯洗剤 適量(普段の量より2~3割減らす)
- 精油 ティーツリー、ユーカリ、ラベンダー、ローズマリーのうちいずれか1~2種類で合計10滴

最初に精油と重曹を入れて溶かしてから洗剤を投入し、いつも通りに洗濯してください。
■干した洗濯物の香りづけやアイロン時に吹きかけるアロマスプレー
- 好みの精油 12滴
- 無水エタノール 10ml
- 精製水 20ml

- スプレー容器に無水エタノールを入れる
- 精油を入れて希釈する
- さらに精製水を加え、よく振ってからお使いください。
用途に合わせて精油の種類、エタノールの濃度を調整することで、
- お部屋の芳香剤
- ごみ箱や下駄箱、靴の消臭スプレー
- トイレ、浴室の除菌・掃除用のスプレー
- マウスウォッシュ
などなど、様々なものに応用できます。
たとえば、掃除や除菌などに使用し、直接肌につけないものに関しては、スプレーした際に精油がとけやすく蒸発しやすいように、エタノール濃度は20~40%が目安になります。
精油も全体量に対して2~4%(30mlに12~24滴)くらいがベストです。
“ラベンダー”はマルチに活躍する万能選手

アロマを使ったレシピが多々存在しますが、中でも“ラベンダー”はマルチに使える万能選手として活躍してくれます。
実は、“ラベンダー”という言葉の語源そのものが、ラテン語で「洗う」という意味を持ち、強い消毒力を持っています。
この強い消毒力の正体は、モノテルペンアルコール類のリナロールによるもので、 ラベンダーの成分にはリナロールが約40%含まれています。
そのため、火傷をした際には患部を良く冷やしてから、質の良いラベンダー精油の原液を直接塗ることで、ラベンダーの消毒・殺菌作用や鎮静作用が働き、火傷の治りが早くなると共に傷跡も残りにくくなると言われています。
このようにラベンダーは直接肌に付けられる精油のひとつですが、実は直接肌につけられる精油というのはごくわずかしか無いため、貴重な存在なのです。
100%天然の精油を選びましょう
現在では、様々な価格帯の“アロマオイル”が売られていますが、その多くは合成香料であることが多いため、
100%天然のものを指す“精油”とは、似て非なるものなのです。
直接肌につけて使用するような場合は、“精油”あるいは“エッセンシャルオイル”と表示され、なおかつできるだけ信頼できるメーカーのものを選びましょう。
たとえ100%天然のものでも、安いものは不純物が多く混ざっていたりすることもあるため、注意が必要です。
有名メーカー品の多くは、10mlで2000円~3000円という価格が相場です。
巷には、“アロマ”というワードを含んだ消臭製品が多く市販されていますが、市販されている消臭剤には同時にたくさんの有害物質も含まれています。
また、中には精油成分を含まず香りだけをアロマっぽく仕上げた紛い品もありますので、購入時には成分表示をよく確認するようにしましょう。