徹底解説!知っているようで知らない汚れとシミの世界

「あ!大変!ブラウスにシミができちゃった!」

しかし、そこで慌ててシミ抜きをしようと即行動に移ってはいけません。

そのシミ、「何性のシミ」になるのかご存知ですか…?

ひと口に「汚れ」や「シミ」といっても、一般的にはその性質から主に以下の3つに分けられます。

水性のシミ

✔油性のシミ

✔不溶性のシミ

しかし、汚れやシミの性質をより具体的に見ていくと、実際にはさらに細分化され、

樹脂のシミ

✔色素のシミ

✔タンパクのシミ

✔漂泊のシミ

これら4つのシミを加えた7つに分類されるのです。

ひとつのシミには様々な性質が含まれている

上記でも触れたようにシミには様々な種類があり、一般的には「水性のシミ」「油性のシミ」「不溶性のシミ」の3つに、「樹脂のシミ」「色素のシミ」「タンパクのシミ」「漂泊のシミ」を加えた7つに分類されます。

しかし、実際には「このシミは水性のシミ!」「これは不溶性のシミ!」と断定することは非常に難しくなっています。

なぜなら、ひとつのシミには多くのシミの性質が合わさっているケースがほとんどだからです。

 

たとえば、ここではコーヒーを例に見ていきましょう。

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コーヒーのシミは水に溶けやすく、水洗いだけで落ちることも多いため、「水性のシミ」に分類されるケースが一般的だと思います。

しかし、実際に衣類などにコーヒーをこぼしてしまった経験がある方ならご存知かと思いますが、水洗いだけだとコーヒーのシミが残ってしまうことがありますよね。

これは、コーヒーのシミが水性の性質の他にも、色素のシミの性質を強く持ち合わせているからなのです。

後述しますが、色素のシミになると家庭でのシミ抜きは難しく、状況によってはアルカリを加えた漂白処理などが必要になります。

 

また、こうした事例は、シミ汚れの代表ともいえるカレーにおいても同じことが言えます。

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カレーには野菜や肉、油、黄色味を出す香辛料など様々な食材が含まれています。

そのため、カレーによるシミの中は、「水性のシミ」「油性のシミ」「色素のシミ」などに加え、頑固な「漂白のシミ」など、様々な性質のシミが混ざり合った状態になっているのです。

 

こうして考えていくと、具体的にどのようにしてシミ抜きをすればいいのか悩んでしまう方も多いと思います。

しかし、それぞれのシミには「一番強い性質」というのが必ず存在していますので、その性質に合わせた処理を行うのが、一番効果的なシミ抜きとなります。

ここでは7つの性質とシミの具体例について説明していきたいと思いますので、ご家庭でシミ抜きをする際のひとつの目安として、参考にしてみてください。

水溶性のシミ

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■特徴

  • 水に溶けやすい
  • 水洗いだけで落ちる事が多く、台所用洗剤を使うと殆ど落とせるケースが多い
  • 時間が経つと酸化して「漂白のシミ」に変化しやすい
  • しょうゆ、コーヒー、ジュース、酒類など

油性のシミ

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■特徴

  • 油に溶けやすい
  • 水洗いだけでは落ちにくいが、台所用洗剤やクレンジングオイルを使うと効果的
  • 時間が経つと酸化して「漂白のシミ」に変化しやすい
  • チョコレート、口紅、機械油、食用油など

不溶性のシミ

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■特徴

  • 水にも油にも溶けない
  • 家庭で落とすのは難しい場合が多い
  • シミ抜きをする場合は、手もみ洗いや歯ブラシを使って物理的に力を加えると効果的
  • 泥、墨汁、ゲルインキのボールペンなど

樹脂のシミ

■特徴

  • 油性のシミの中でも特にガンコなシミ
  • 付着してすぐなら家庭でもシミ抜きできる可能性アリ
  • 完全に乾いてしまった場合はクリーニング店でプロに任せた方が良い
  • 塗料、接着剤、絵の具など

色素のシミ

■特徴

  • 色の濃い食品やマーカー、インクなどに含まれている
  • 家庭で落とすには難しい
  • アルカリを加えた漂白処理などが必要な場合がある
  • カレーや紅茶、コーヒーなどにも含まれる

タンパクのシミ

■特徴

  • カビの原因になる
  • 時間の経過や熱を加えることにより、「漂白のシミ」や「不溶性のシミ」に変化
  • 「漂白のシミ」や「不溶性のシミ」になると家庭で落とすのはまず困難
  • 血液、肉、卵、牛乳など

漂白のシミ

■特徴

  • 「水性のシミ」や「油性のシミ」などが酸化・変質したガンコなシミ
  • 漂白の処理を必要とする場合が多い
  • 古いシミ、黄ばみ、色移りしたシミなど

シミ抜きには、そのシミの性質に合ったシミ抜き方法がありますので、判断を間違うとよけいに取れなくなることがあります。

そのため、正しい処理方法を理解した上で染み抜きをおこなうことが大切です。

ご自分で処理するのが難しいと判断された場合は、クリーニング店でプロにお任せする方が失敗もなく、衣類を傷める心配も不要なため安心できるでしょう。

ちなみに、衣類についたシミが「水性」と「油性」のどちらかわからない場合は、以下の方法で簡単にシミの性質を見分けることができます。

  1. 汚れに水を一滴垂らしてみる
  2. 汚れに水が染み込めば水性のシミ
  3. 汚れに水が染み込まず、はじいた場合は油性のシミ

これらの内容を参考に洗濯にトライしてみてください。