基本的に汚れというのは水よりもお湯のほうがよく落ちます。
しかし、例外もあるので注意する必要があります。
こちらでは、素材別や汚れ別に好ましい水温をご紹介いたしますので「この汚れはお湯?水?」と困ったら読んでくださいね。
水で洗うほうが好ましい汚れ
一般的に、汚れはお湯で洗ったほうが効果的なのですが、動物性たんぱく質を含む汚れは熱でかたまりやすいので、手洗いする場合でも必ず水で洗ってください。

水道水の水温であれば問題ありません。
《動物性たんぱく質を含む汚れ例》
✔牛乳
✔卵
✔血液
これらの汚れがついてしまった場合は、すぐに水で洗い流してから洗濯をすると効果的です。
たんぱく質を水で洗い流すことによって、洗浄効果が高まり、シミになるのを防ぐことができます。
頑固な汚れは、自動洗濯機ではなく手洗いすることがおすすめ!
手洗い方法ですが、以下の手順で行ってください。
- 汚れのついた箇所を素早く水で洗い流す
- 洗面器などに水を入れ、その中に汚れ物も入れ2時間ほど置く
- 石けんで揉み洗いする
- 綺麗にすすぐ
水で洗ったほうが好ましい素材

デリケートな素材「絹」「ポリエステル」は水で洗うのがベストです。
絹は、天然繊維の中でも、もっとも細くてデリケートな素材ですので、洗い傷みを最小限にするために手洗いしましょう。
その際には、洗濯石けんはできるだけ使わないことをおすすめします。
ポリエステルですが、合成繊維の中では最も熱に弱い素材です。
水洗いを徹底することで素材の寿命を長くすることができますので、是非丁寧に手洗いしましょう。
また、ポリエステルは汚れを再吸収しやすい素材でもありますので、お風呂の残り湯を使用せずに、綺麗な水で洗い流すのが基本です。
ウール素材を洗うときの水温は30℃がベスト
ウール(毛)素材の衣類は、洗い・すすぎを一定の水温で行うことにより洗い縮みを防止することができます。
基本的に、ウール素材の衣類は手洗いしたほうが良いでしょう。
この際のベストな水温は30℃です。
東京都の春~秋の水道水の温度が約20℃ですので、「少し温かい」と感じるくらいのぬるま湯で洗うようにしてください。
※汚れがひどくないときは水で洗っても問題ありません。
洗剤は、基本的に中性洗剤を使いますが、中性洗剤がない場合は固形石けんをよく溶かして代用しても構いません。
それでは実際に洗濯してみましょう!
- 水温30℃のぬるま湯を洗面器や洗面台に入れる
- その中に洗剤(石けんを溶かしたもの)を入れる
- ぬるま湯の中で“押し洗い”、“振り洗い”、“たたき洗い”を繰り返す(方法は次でご説明いたします)
- 同じく30℃のぬるま湯ですすぎを二回繰り返す
押し洗いとは
洗濯物をたたんだ状態で、水や洗剤の入ったぬるま湯に浸し、そのまま両手で数十回汚れを押し出すように洗います。
押し洗いのポイントは、ゆっくりと押すことです。
汚れを押し出すのに力はいりません。
繊維を傷つけないように、丁寧に優しく押しましょう。

振り洗いとは
洗濯物を、水や洗剤の入ったぬるま湯に浸し、その中で前後左右に振って汚れを落とします。
振り洗いのポイントは、水の中で大雑把に振ることです。
小刻みに振っても、汚れはなかなか落ちません。
水がはねない程度に大雑把に振るイメージです。

たたき洗いとは
洗濯物を、水や洗剤の入ったぬるま湯に浸し、洗濯物を手のひらに置き、もう片方の手で軽く叩いて汚れを浮き立たせます。
たたき洗いのポイントは、絶対にこすらないことです。
ウール素材は、強くこすったり、揉んだりしてしまうと傷みやすいデリケートな素材ですので、優しく丁寧に軽く叩くようにしてください。

うっかりミス!ウールの衣類が縮んでしまったときの対処法
ウール素材の洗濯物を、うっかり他の衣類と一緒に全自動洗濯機に入れてしまい縮んでしまった…
そんなときは、慌てずに以下の方法を試してみてください。
《用意するもの》
★スチームアイロン
★アイロン台
★まち針
《手順》
- 縮んでしまった洗濯物を乾かす(自然乾燥で構いません)
- アイロン台に乾いた洗濯物を伸ばしたい大きさに広げ、まち針で固定する
- スチームアイロンを、ウールから数センチ浮かした状態で、まんべんなくかける
- 乾くまでまち針をつけたまま放置する
この方法で、縮んでしまったセーターなどが回復する可能性が高いので、諦める前に是非試してみてくださいね。
まとめ
素材によって水温を調整することで、あなたのお気に入りの衣類はもっと長く愛用することができるんです。
うっかり汚してしまうのは誰にだってあること。
大切なのは、適切な方法で洗濯をすることです。
少し面倒だと思う方もいらっしゃると思いますが、慣れれば慌てずに簡単に対処することができます。
あなたのお気に入りの衣類に、もっと長く活躍してもらいましょうね!