夏場に比べ、窓を開けて換気をする機会が少なくなる冬場の車内。
そんな冬場こそ、実は車内の“ニオイトラブル”が増加する要注意時期ということをご存知ですか?
換気の機会が減ることで、ニオイがこもりやすくなるためです。
そうした“ニオイトラブル”に敏感なのが、お客さんを乗せて運ぶタクシー業界です。
冬場になると、「車内が臭い」というクレームが増加するのだとか。
そこで、気になるタクシー業界でのニオイ対策を見てみると、私たちの愛車でも実践できる効果的な方法であることがわかってきたのです。
車内のニオイは“人の振り見てわが振り直せ”
車の内装にはファブリック(布)が多用されていますので、ニオイの元となる色々な汚れが染みつきやすい環境と言えます。
それは、業務用のタクシーでも一般的な乗用車でも条件は同じです。
しかし、常に清潔さを心掛けていながらも、不特定多数の方が利用するタクシーの方が、気になるニオイが残りやすい環境下にあることは間違いありません。
タクシーの車内ではどのようなニオイが、実際にお客さんから指摘され、クレームに繋がることが多いのでしょう?
1.ドライバーの体臭や口臭、ヘアワックスのニオイといったドライバーの身だしなみに関係したニオイ
2.車内で食事をした後のニオイ、それらを消そうとして使用した市販の消臭スプレーや芳香剤のニオイなど、ドライバーの行動によって引き起こされるニオイ
3.車内の足ふきマットが生乾きを起こしているニオイ、シートに染み込んだ乗客の香水のニオイなど、車内環境に関係したニオイ
タクシーに限らず、どのニオイも一般的な乗用車でも実際に“あるある”なケースばかりです。
しかもそのほとんどが、乗っている本人は気づいていないパターンが多いのではないでしょうか。
あなたも知人や友人を乗せた際に、もしかしたら不快な思いをさせているかもしれません。
そんな時は、次にご紹介するクリーニング方法をお試しください!
プロに学ぶ車内空間のクリーニング方法
消臭スプレーや除菌スプレーを使用する
某タクシー会社では、乗務員ひとりひとりに会社で用意した消臭スプレーを支給し、車内の臭いやお客さんの香水の匂いが気になった際、降車後に使うよう指導しています。
かつては、自ら用意した消臭スプレーや芳香剤で車内のニオイ対策を講じる乗務員も少なくなかったそうですが、市販品には“無臭”と謳いながらも実際にはニオイが残る物もあり、お客さんからはそのような色付けしたニオイを指摘されるケースが目立ったため、会社側で消臭スプレーを統一させたそうです。
香りの好みは人によって様々ですが、“無臭”だけは誰にとっても不快な思いをさせない唯一の香りであることを再認識させられますね。
シートを外して洗浄する
年末・年始に向けた冬場は、忘新年会の増加やインフルエンザなどの流行により、車内で嘔吐する客も少なくありません。
そうした場合はシートの汚れとニオイを直ちに除去するため、高圧洗浄機を使った洗浄が行われます。
高圧洗浄機を備えるご家庭というのは、あまりないかもしれませんが、一般的に車のシートは取り外せるような設計になっているため、天気の良い日に外でジャブジャブ丸洗いすることが可能です。
その点、シートカバーを着用している車両の場合は、汚れ具合によってはカバーのみのクリーニングだけで済む場合もありますので、普段から汚れやニオイが気になる方は、シートカバーを導入してこまめにクリーニングするのがおすすめです。
車内にニオイが染み付いてしまっていた場合、タクシー業界では以下のようなクリーニング方法でニオイの除去に努めています。
どれも私たちが愛車をお手入れする際の参考になるニオイ対策ばかりですので、プロの意見を参考にぜひ実践してみてください。
2つの“秘密兵器”を投入する
ここで言う秘密兵器とは、“オゾン脱臭機”と“車両用クレベリン”です。
オゾン脱臭機はニオイの強度によって1回15分から40分ほど可動させて使用。
短時間で車内に二酸化塩素を発生させる車両用クレベリンは、車内の除菌・消臭に威力を発揮する優れものなのだとか。
ちなみにこれら2つの秘密兵器は、カー用品店などでも売られているため、私たち一般人でも購入することができます。
プロも納得の効き目を、今度はあなた自身が体験してみてください。
フィルターの清掃・交換を頻繁に行う
一般的な車両(クラウンコンフォート)の場合、フィルターを3ヵ月に1度は中性洗剤で洗浄し、洗浄ができない車種については半年に1回の頻度でフィルターを交換しています。
換気がしづらい冬場はどうしても車内を締め切りになりがちですが、その際に空調からきれいな空気を感じてもらうためにも、清掃・交換などは欠かせない作業なのです。
フィルター交換を怠っている方は、今すぐ自分の愛車をチェックしてみましょう。