あまり知られていないことかもしれませんが、風邪のウイルスは私たちが日常的に着ている衣類にもたくさん付着しているんです。
風邪はクシャミなどの唾液で感染する・・・と思われていますが、唾液が目に見えて体内に入らなくても、実は洋服にウィルスがついたことによる感染もあります。
感染者の唾液の飛沫が衣類に付着し、それを知らずに洋服の袖で口を拭ってしまう・・・など、目にみえないウィルスを知らず知らずのうちに体内に入れてしまっていることもあり、感染してしまうことがあります。
洋服だけではありません!
装着していた手袋や帽子の表面にまでウィルスはついてしまうのです。
色々な風邪症状
ノロウィルス
特に、ご家族の中にノロウィルス(胃腸風邪)に感染した場合は、他の健康な家族と一緒に洗濯するのは危険です。
洋服だけではなく、タオルやハンカチから他の方にうつってしまうこともありますので、消毒してから洗濯する必要があります。
ノロウィルスに感染してしまった患者さんの特徴の一つとして「嘔吐」という辛い症状がありますが、嘔吐をした際に口を拭ったタオルやハンカチにノロウィルスは残ります。
もちろん、嘔吐物を素手で触るのも厳禁です。
インフルエンザ
ご家族の中に、インフルエンザに感染してしまった人が出た場合ですが、一緒に洗濯したくらいでは感染する可能性は極めて低いでしょう。
ただし、患者さんの衣類にウィルスがついている場合が多いので、洗濯機に運ぶときは、そっと運ぶようにしてください。
患者さん本人が洗濯物を干してしまうと、手にウィルスがついている可能性がありますので、干すときは必ず手を洗ってからにしてくださいね。
胃腸炎(ロタウィルス)
胃腸炎には「細菌性」のものと「ウィルス性」のものがあります。
ウィルス性の胃腸炎は、感染範囲が非常に広いので注意が必要です。
胃腸炎の症状で多いのが「発熱」「下痢」「嘔吐」ですが、この汚物が衣類についてしまうと二次感染を引き起こしてしまう可能性が高くなってしまいますので、汚物を掃除するときは必ずゴム手袋などを装着してください。
洗濯をする際は、他の家族とは別にしておいたほうが良いでしょう。
特に直接口にあてることのあるタオルなどは、一緒に使用せずに洗濯するときも別にしてくださいね。
患者の汚物が衣類についた場合の洗濯方法
特に、ノロウィルスやロタウィルスは、生命力が強く、乾いた場所でも10日以上生存していることもあります。
石けんや消毒液にも強いので、通常の洗濯ではウィルスを殺しきれない場合も多くあります。
感染力も恐ろしいほど高いので、汚物がついてしまった衣類を洗濯する際は、同時に消毒をすることもおすすめします。
《用意するもの》
★洗濯おけやバケツ
★塩素系漂白剤
※汚物のついた衣類を消毒・洗濯をする際には「マスク」と「手袋」を着用することをおすすめします。
1:バケツに水と100倍に薄めた塩素系漂白剤を入れる
※500mlのペットボトルの水に対し塩素系漂白剤をペットボトルのキャップ1杯(5cc)で100倍に薄めることができます
※色落ちが心配な衣類は熱湯(85℃以上)に2分間浸しておくと効果的
2:水に薄めた塩素系漂白剤の入ったバケツの中に衣類を入れて5分間置く
3:洗濯機に入れて標準コースで洗う
風邪を予防するには洗濯をするのが効果的
家族全員が健康な状態であっても、ウィルスは少し外出しただけで衣類に付着します。
外出する度に衣類を消毒する必要はありませんが、風邪が流行している時期などは、特に洗濯の回数を多めにしましょう。
忙しくて、どうしても洗濯物がたまってしまう・・・という方は、できれば一度外で着た衣類は外に干してください。
紫外線はウィルスの遺伝子を死滅させる効果がありますので、ウィルスに感染するリスクを最小限にしてくれます。
ガーゼマスクの消毒方法と洗い方
現在では、使い捨てマスクを使用している方がほとんどだと思いますが、ガーゼマスクも何枚か常備しておいたほうが良いでしょう。
インフルエンザが流行すると、使い捨てマスクは飛ぶように売れ、薬局などでも品薄になってしまうので、購入できない危険性があるのです。
ガーゼマスクは寿命が短いので、何度も繰り返し使用できるものではありませんが、手洗いすることで少しの間は使用できるでしょう。
《用意するもの》
★中性洗剤(オシャレ着洗い用洗剤か、中性成分の台所用洗剤)
★洗面器かバケツ
★電子レンジ
1:洗面器かバケツに水を入れる
2:水の中にマスクをくぐらせながら中性洗剤で丁寧に手洗いする
3:綺麗な水で充分にすすぐ
4:使用した洗面器やバケツの水を捨ててサッと洗う
5:空の洗面器(バケツ)の中にマスクを置き、上から熱湯をかけ5分間置く
6:マスクをポリ袋に入れてレンジで1~2分間加熱する
7:部屋の中に干す
以上の内容に気をつけて、ウィルスを撃退してみてください。