ひと口に「アイロン掛け」といっても、その方法は衣類の素材に合わせて「ドライ」で仕上げる方法と「スチーム」で仕上げる方法に大きく分けられます。
そのため、アイロンを掛ける前には、事前に衣類の素材をしっかり確認しておくことが大切です。
そうしないと、せっかく綺麗に洗濯が済んだお気に入りの洋服に、見るも無残な「コゲ」や「テカリ」ができて、残念な結果になってしまうことも…
先ずは確認!衣類に合わせてドライとスチームを使い分ける
■ドライ仕上げ
ドライとは、スチーム(水蒸気)を使わずに、アイロン本体(かけ面)の熱でシワを伸ばしていく方法です。
シルクをはじめシワになりやすい綿や麻、ポリエステルなどの化学繊維を使った衣類は、ドライで仕上げるのが一般的な方法となります。
その際には、衣類に合わせてアイロンの温度調節を忘れずに行いましょう。
温度の指定は、衣類に付けられた洗濯表示タグに書かれていますので、必ず確認してください。
また、綿や麻の場合は、同時に霧吹きやスムーザーを使用することで、より効率的なアイロン掛けが可能になります。
■スチーム仕上げ

一般的に、頑固なシワや深い折り目などが付いてしまった場合に用いられるイメージの強いスチームですが、毛足の長いフワっとしたセーターやウール素材を使用した衣類のシワ取りでは、基本的にスチームを使用した仕上げになります。
その際のポイントは、アイロンを浮かしてスチームをかけながら、手で整えること。
そうすることで、フワっとした風合いをそのままにシワを伸ばせます。
また、ズボンやスカートに折り目をつけたい時には、あて布をした上でスチームを使用し、上から軽く押さえます。
水蒸気の力を利用することで短時間でシワを伸ばすことができ、防虫剤やタバコといった臭いの消臭にも効果的です。
アイロン掛けは「空いている方の手」を使うことがポイント
衣類のシワを綺麗に取り除こうとアイロン掛けをするときは、どうしてもアイロンを持つ手に意識が集中してしまうがちですが、ここでのポイントは「空いている方の手」にあります。
アイロン掛けをする時は、空いている方の手でシワを伸ばしながら掛けていくのが、綺麗に仕上げるコツなのです。

それでも両手を使って仕上げるが難しいという場合は、アイロン掛けの前に、先にある程度手で衣類のシワを伸ばしてから掛けることをおすすめします。
慣れてくると両手を使ってアイロンを仕上げられるようになりますよ。
当て布を上手に使って「コゲ」や「テカリを」防止しよう
初心者さんによくありがちなのが、シワを取ろうと必死になるあまり、同じ場所にアイロンを当て続けたり、同じ場所に何度もアイロンを滑らせるといったこと。
するとどうでしょう…気づいた時には既に遅し。
大事な衣類がコゲてしまったり、生地の表面がテカテカしてしまった…なんていう事態になりかなません。
特に、シルク(特に濃色)などはアイロンを直接表から当ててしまうと、シルク特有の光沢が変化し、損なわれてしまいます。
そのため、シルクに限らずウールなどのテカリやすい素材のシワを取る場合には、「当て布」をした上からアイロンを掛けることで、衣類へのダメージを防ぐことができます。

アイロン掛けの敵…やっかいなあの「シワ」にはこうして対処せよ!
アイロン掛けをしているとアイロンの先端などが生地にひっかかり、シワになってしまうことが多々あります。
これは、綺麗にシワを伸ばそうと思うあまり、無意識の内にアイロンの先端部分に力を入れてしまうことから起こります。
こうしたシワを防ぐには、アイロンの動かし方にちょっとしたコツがあるのです。
アイロンの先端方向に向かって動かす場合は、先端部分をやや浮かせるイメージで、アイロンの後ろ側に重心を置きながらアイロンを動かします。

反対にバックする時は、アイロンの後ろ側をやや浮かせる感じでアイロンの前側に重心を置くようにしましょう。
進行方向にアイロンを少し上げるイメージでアイロンをすべらせるのがポイントです。
最近ではこうした問題に対応し、掛け面が丸く湾曲したタイプのアイロンが発売されています。
これまでのアイロンは、掛け面が平らなタイプが一般的でした。
そのため、アイロンを滑らせた際に生地に引っかかりやすく、シワができやすくなっていました。
その点、掛け面が丸いタイプのアイロンになると、進行方向に合わせてアイロンをやや持ち上げるというようなことをしなくても、掛け面が引っかかる心配がないため、よりスムーズなアイロン掛けが可能になります。
また、近年は掛け面事態のコーティングも進化しており、小さな力でより滑りやすい掛け面へと改良されています。
こうした便利で使いやすいアイロンを選ぶことも、
苦手なアイロン掛けを克服するためには有効な方法のひとつと言えるでしょう。