様々な家事の中でも、人の手を煩わせずに“全自動”で行える数少ない作業のひとつである“洗濯”。
しかし、忙しい現代人はその洗濯の時間すらままならないこともしばしば。
なおかつ、全自動で行えるのは“脱水”までで、“乾燥は手作業”というご家庭もまだまだ多いことでしょう。
さらに、乾燥させるにも外で天日干しが出来ればいいですが、ライフスタイルの変化や住宅環境の都合から“部屋干し”が主流という方も少なくないはず。
ところが、そんな部屋干しには私たちを悩ます大きな問題が…
そう、あのイヤ~な“生乾き臭”です。
生乾き臭にはふたつの菌が深く影響

防犯性の高さや花粉の付着の防止、天候に左右されないなど、部屋干しにも便利なメリットは多々ありますが、一番のネックはやはり“生乾き臭”ですよね。
最近は、その悩みに焦点を当てた抗菌洗剤や香り付き柔軟剤が数多く発売されていますが、いざ使ってみると…

「使いかけのタオルから嫌な臭いが…」
「まだ袖を通していない服なのに何だか臭う…」
といった声が多く聞こえてくるのです。
実際に、某メーカーが18~55歳の女性400人に対して行った「抗菌洗剤を使用しても嫌なにおいを感じるか」というアンケート調査では、「7割以上の方が“感じる”と答えた」という結果が報告されています。

抗菌洗剤を使って洗濯し、その後もしっかり干しているにも関わらず、生乾き臭が発生してしまう原因は一体どこにあるのでしょう?
衣類から発生する嫌な臭いには、2種類の菌が深く関係しています。
ひとつは着用時の皮脂汚れが原因の“脂臭菌(ししゅうきん)”。
もうひとつはジメジメと湿気が多い環境で増殖する、その名も“生乾菌(なまがわききん)”です。

一見すると綺麗に洗濯されたように思える衣類でも、実はそこには上記のような菌が存在しており、衣類に残された汚れを分解。
それが洗濯後にもニオイが生じる原因に繋がっていたのです。
どちらも悪臭の元になる菌であることに代わりはありませんが、ここで特に厄介なのは生乾菌の方。
これまでにも“抗菌”を謳う洗剤というのは、洗剤メーカー各社から発売されていましたが、今までの抗菌洗剤では生乾菌の増殖を抑えられなかったのが実情。
そのため、綺麗に洗濯していくらしっかり干したつもりでも、あのイヤ~な臭いが発生する元凶になっていたのです。
生乾菌の増殖を防止する抗菌洗剤がついに誕生!
では、なぜ生乾菌は抑制することが難しいのでしょう?
その理由は主に、2つの菌の構造の違いにあります。
脂臭菌は細胞が一重の膜だけで覆われているのに対し、生乾菌は細胞が二重の膜に包まれた非常に頑丈な構造をしていることから、従来の抗菌作用を持つ洗剤であっても不快な生乾臭の撃退にはいたらなかったわけです。
では、私たち人類はこれから先も、あの悪臭に悩まされ続けなければいけないのでしょうか…?
いいえ、そんなことはありません!ご安心ください!
ここにきて、生乾臭対策の救世主とも言える存在が遂に誕生したとの朗報が飛び込んできました!
近年の目覚しい技術進歩に伴い、従来の抗菌洗剤では抑えきれなかった生乾菌の増殖を防ぐことができる“デュアルバイオ抗菌処方”が開発され、生乾菌に対してより強い効果を発揮する新処方配合の洗濯洗剤が登場したのです。
3年に及ぶ研究・開発期間を経て誕生した新たな処方では、二重の膜に働きかけることで生乾菌の増殖を抑制することに成功。
従来の抗菌洗剤に比べ、全体の抗菌力は50倍にまで高められたそうですから、これは本当に期待が出来そうですね!
今回の新処方を配合した抗菌洗剤の誕生は、洗濯洗剤業界にとってまさに激震。
ヨーロッパのドイツで、石油を原料にした世界で最初の合成洗剤が開発されたのは1917年のことですから、私たち人類はおよそ100年近くもの間、生乾菌に悩まされてきたことになります。
専門家の間でも、こうした“100年越し”の開発に対し、「多様化が進む現代人の日常生活をより快適させるという点でも非常に意味がある成果」と称賛の声が広まってます。
生乾臭の防止効果をさらに高めるテクニック
部屋干しによる生乾臭の防止には、先にご紹介したような新処方配合の抗菌洗剤や洗浄力の高い洗剤を使うのが有効ですが、同時にいつもの洗濯時に以下のような点を見直すことで、より効果的にあのイヤな臭いを抑えることができます。
✔洗濯物は溜め込まずにこまめに洗う
✔お風呂の残り湯はすすぎに使わない
✔室内の空気を循環させて乾燥時間を短くする
✔キッチンの近くは避けるなど干す場所に気をつける
これまでは「あの臭いがあるから部屋干しはイヤ」と、外での天日干しにこだわっていた方でも、最先端の抗菌洗剤を利用し、普段の洗濯方法にほんの少し気を遣うことで、部屋干しに対するイメージは大きく変わることでしょう。また、これからの季節は衣替えを行う方も多いはず。
その際には、抗菌洗剤で汚れと臭いをしっかり落としておくことが、来シーズンになっても気持ちよく袖を通すことための秘訣と言えます。