「エコでクリーン、それでいて汚れ落ちに効果絶大!」と、近年大きな注目を集めている“重曹”。
油汚れを浮かして取り除く性質やクレンジング作用を持つ上に、ホームセンターやドラッグストアで安く手に入るということで、日常生活に取り入れる人が急増。
そのマルチな活躍ぶりは、まさに“洗濯・お掃除界の黒船”と呼ぶに相応しい存在と言えます。
洗濯では洗剤に混ぜたり柔軟剤代わりに使える重曹ですが、実は“漂白剤”の代わりとして利用することもできるのです。
純度によって異なる重曹の用途
そもそも、“重曹”とはどのような物なのでしょう?
重曹は、鉱山やガラスを作るときの副産物として得られる“炭酸水素ナトリウム”という天然の無機物質で、 昔から膨らし粉や野菜のあく抜きなどで利用されてきました。
弱アルカリ性の性質を持ち、現在では油汚れの除去作用、消臭作用、研磨作用など、高い汎用性を活かしたナチュラルクリーニングアイテムとして広く知られています。
重曹には天然物と人工物があり、アメリカや中央アジアには天然の重曹の元となる重炭酸ソーダ石を採掘する鉱床が存在します。
しかし、日本には重炭酸ソーダ石の鉱床がありませんので、重曹は人工的に生産されてしています。
天然物と人工物で成分に違いはありませんが、天然物も人工物も純度の違いによって、
✔ 食用
✔ 農工業用
上記3つに大きく分けられます。
純度は「農工業用<食用<医薬品用」の順で高くなり、薬局で売られている“医薬品用”は特に高純度・高品質で安全性が保障されています。
“食用”も医薬品用に次いで純度や安全性が厳しくチェックされているため、料理などにも安心して使うことができます(ラベルには“食品添加物”と記載されています)。
“農工業用”は医薬品や食用での使用を前提としていないため、前者に比べると純度や品質のチェック面で劣り、体に有害な不純物が混じっていることも。
スキンケア用やお風呂に入れるなどの用途に使うことは控えましょう。
重曹de漂白剤~メリット~
先進の研究技術から生まれた市販品の漂白剤。
その漂白作用は確かに強力で、シミ抜きの際などには文字通り強力な助っ人となってくれます。
しかし、そうした強力な漂白作用はとても肌に悪く、敏感肌の人は洗濯で使用しただけでも肌に炎症が起きてしまうことも。
そのため、皮膚に付いたらすぐに流いながすなど、取り扱いには十分に注意をする必要があります。
一方、重曹は料理にも使われている天然素材。
料理に使われるくらいですから、その安全性は折り紙つきで、扱いが非常に楽なのです。
また、重曹には消臭効果もありますので、市販の漂白剤にありがちな嫌な臭いを除去してくれる効果もあります。
重曹de漂白剤~作り方~
重曹を漂白剤の代わりとして利用するには、そこへひと手間加える必要があります。
“ひと手間”といっても、言うほど大げさなことではありません。


先ずはレモン(レモン果汁)を用意します。
そして、そのレモン(レモン果汁)を適量、重曹に混ぜ合わせてください。
…以上です。
文字通りのワンアクションですよね?
酸性の性質を持つレモン果汁と、アルカリ性の性質を持つ重曹が混ざると炭酸ガスが発生します。
すると、炭酸ガスが汚れを浮き上がらせ、漂白剤と同じ効果をもたらしてくれるのです。
前述したように、重曹は料理にも使われる口に入れても大丈夫な素材。
そして、レモン果汁は顔パックなどにも使用されているくらいですから、どちらも肌に悪いわけがありません。
そのため、小さなお子さんがいるご家庭や敏感肌という方は、市販の漂白剤よりもこちらの重曹を使った漂白をおすすめします。
重曹de漂白剤~注意点~
簡単に作れる上に安全性も抜群な、重曹とレモン果汁を使った漂白剤。
しかし、万能に見えるこの漂白剤にも、気を付けなければいけない注意点が存在しています。
それは“色落ち”です。
色のついた衣類などに使用した際には、市販されている漂白剤と同じように色落ちを起こしてしまう危険性が潜んでいます。
そのため、使用前には衣類の目立たない部分に液を付けてみて、色落ちしないかどうか試してみるといいでしょう。
※色落ちテストの方法※
1.白いタオルに液をつけます。

2.液を付けたタオルで、衣類の目立たない部分をトントンと軽く叩きます。

3.タオルに色がつかなければ、色落ちの心配はありません。

このテストでタオルに色がついた場合は、残念ながら色落ちすることを意味しています。
その際はご家庭での処理を控え、お近くのクリーニング店にご相談ください。
…いかがでしたでしょうか?
重曹は、ひとつあると洗濯やお掃除で大活躍する“スーパーマルチアイテム”です。
2015年も、残りわずかとなりました。
今年の大掃除には、重曹を活用して洗濯物からお家の中までピカピカにしちゃいましょう!