取れたボタンや、縫い目のほつれ。
普段着ていて気にしながらも、ついつい見過ごしてしまいがちですよね。
でも、そのまま放っておくと洗濯の時に生地を傷め、衣類の寿命を縮める原因になってしまいます。
縫い目のほつれやボタンの外れ、裾のまつりが取れたりすることは意外と多いものです。
そのため、洗濯前にはほつれなどの有無を確認し、繕っておくようにしましょう。
自分で出来る繕いもの~ボタン付け
取れかけたボタンは、他の洗濯物と絡まる原因になってしまいます。
洗濯前に確認し、ボタンごとの正しい付け方できちんとつけ直しておきましょう。
ここでは代表的な4つのボタンを例にご紹介します。
2つ穴ボタン

- 糸を2本どりして玉結びを作り、ボタン付けする場所の布地を表からすくいあげ、ボタンの穴に糸を通します。
- 2つあるボタンの穴に針と糸を3~4回通します。付けた後にボタンをとめやすいように、生地の厚み分だけボタンを少し浮かせて付けるのがポイントです。生地が厚く浮かせにくい場合は、ボタンと布地の間に別の部分の布地を挟むと作業がしやすくなります。
- ボタンと生地の間から糸を出し、針についている方の糸でその箇所を何回か巻いたあと、針を通して固定します。
- ボタンのつけ根部分の生地を2~3回すくってから、生地の裏側で糸を玉結びにします。
4つ穴ボタン

2つ穴ボタンと同じ要領で4つの穴に糸を通し、取り付けます。
足つきボタン

- ボタンの脚が生地に対して垂直になるようにしてボタンを置きます。
- 糸の端を玉結びし、生地の裏側からボタンの脚の脇に針をさしてボタンの穴をくぐらせ、針を布の裏に戻す作業を3~4回繰り返します。
- 生地の裏側で玉結びを作り、玉結びと布の間に糸を通してから糸を切ります。
スナップボタン

- 糸を2本どりして玉結びを作り、凸スナップを付ける場所の真ん中に玉結びがくるように生地をすくいます。
- 凸スナップの穴に糸を通し、できた糸の輪に針をくぐらせてからしっかり引いてとめます。
- 1つの穴に3回ずつ針を通し、4つの穴を全部縫いつけます。最後に玉結びを作ってからスナップの下に通して糸を切ります。
- 取り付けた凸スナップを、凹スナップを付ける面に押しつけて印をつけた後、その位置に凸スナップと同じ方法で凹スナップを縫いつけます。
自分で出来る繕いもの~縫い目のほつれ直し
ブラウスの袖付け部分やパンツの股上といった部分は、特に縫い目がほつれやすい部分です。
そのまま洗濯すると、ほつれはより大きくなってしまいますので、小さなほつれの場合でも洗濯前には必ず繕っておくようにしましょう。
再度ほつれてこないよう、最後にはしっかり玉結びをするのがポイントです。
- ほつれた箇所の生地を裏返し、マチ針を使って両方の縫い代をとめます。
- ほつれている糸を生地の裏側から軽く引っ張って、表側にほつれた糸を残さないようにし、不要な糸は切り取ります。
- ほつれた部分からではなく、ほつれる前の縫い目と5cmくらい重なる場所から“返し縫い”で縫い合わせていきます。
返し縫いの方法は以下の通りです。
※返し縫いの方法※
1.糸の端に玉結びを作って生地の裏側から針を刺し、表側に出します。
2.1で刺した位置よりも後ろに針をさし、生地の裏側から針を1の倍、前に進めます。
3.最初に針を刺した場所の脇に針を戻します。
4.上記3つの行程を繰り返します。
5.縫い終わったら玉結びを作って、縫い代の裏に隠しましょう。
自分で出来る繕いもの~ゴム通し
上着の袖口やズボンのウエスト周りなど、衣類には何かと多くのゴムが使われています。
外れて飛び出たゴムひもは、洗濯中に他の衣類と絡まる恐れがあるため、外れそうになっている時は事前にきちんとゴムひもを付け替えておくようにしましょう。
- ゴムの端にゴム通しをつけ、ゴムがねじれないように手元を確認しながら慎重に通し穴の入口へ差し込みます。その際、ゴムの端は切らずにそのまま残し、最後の部分に通し穴より大きい安全ピンをつけておくと、ゴムが途中で通し穴の中に入ってしまうのを防ぐことができます。
- ゴムを通し終わったら、通した部分の“ゆるみ”が均等になるように調整してから、ゴムをしばるか安全ピンなどで仮止めして長さを合わせます。
- 余ったゴムを切り、ゴムの最初と最後の部分を3cm程度重ねてから縫い合わせます。その際、重ねた部分とゴムの出入口をマチ針でとめておくと、よりしっかり固定されて縫いやすくなります。
男女を問わず普段から裁縫に馴染みが無い方にとって、ボタン付けやほつれの縫い合わせなどは、あまり得意とは言えない作業かもしれません。
しかし、一度自分でやってみると、意外と簡単にできる作業が多いことに気づかされると思います。
お気に入りの衣類をより長く着るためにも、洗濯前のワンポイントケアを実践してみましょう。