「やっと梅雨が明けた!これで洗濯物を外で干せる~」
「今日は天気がいいから洗濯日和ね!」
日本人にとって、太陽がサンサンと輝く天気が良い日というのは、洗濯したくてうずうずしてくるものです。
ところが、アメリカ人に「外で洗濯物を干すと太陽の匂いがして気持ちいいよね!」と言っても、あまり理解を示してくれません。
なぜなら、アメリカでは洗濯物を外で干すことは「私の家は貧しいですよ」とお披露目しているようなこと、
満足に乾燥機も買うことのできない低所得者ですよと言っていると同じなのです。
そのため、アメリカ人が日本に来て驚くことの一つに、庭に干されたたくさんの洗濯物が挙げられるのです。
マンションのベランダに干されたシーツや布団を見て驚き、日本ではお馴染みの「洗濯天気予報」を見て驚く…
日本人にとっては何気ないことですが、お国や地域によって洗濯事情も随分と変わってくるようです。
全てがダイナミック!アメリカの洗濯事情
そもそもアメリカ人が外干しをしない根本的な理由は、砂埃や竜巻が発生しやすいというアメリカ特有の天候に原因がありました。
しかしその後、時代の流れと共に乾燥機が普及し始めると、それを家に持つことができない=貧乏人というイメージが定着してしまったようです。
そんなアメリカ人が平均して洗濯をする回数は、週に1~2回程度。
洗濯好きの日本人にとっては「そんな回数で間に合うの!?」と思いますが、アメリカでは洗濯物をため込んで一気に洗うのが一般的。
アメリカでは容量が大きく、パワーもしっかりある洗濯機が好まれます。
アメリカ製の衣類は丈夫に作られていることもあり、パワーが強い洗濯機でも破れたりすることはありませんが、日本製の繊細な衣類を洗濯するときには要注意です!
あまり、時間をかけすぎて洗ってしまうと…蓋を開けたらお気に入りの洋服は無残にもボロボロになっていることでしょう。
また、日本の洗濯機には色々な機能が付いていますが、アメリカではそれほど機能が付いていないものが主流だそうです。
しかし、中には「あ~これ日本の洗濯機の機能にも欲しいな…」と思うものも。
「Hot・Cold・Warm」と水の温度を変えられる機能!これいいですよね。
日本でも最新の洗濯機には付いていたりするのでしょうか?
私の回りの家庭ではみたことがありませんが…
高い美意識が浸透したイタリアのオシャレな洗濯事情
イタリアでは、窓から窓へとロープを渡し、洗濯ものをフラッグ!?のように干す風景を写真や映画でよく見かけます。
洋服など色彩も鮮やかでデザインも素敵!干してあるだけなのにオシャレに見えてしまう!さすがは美の国イタリアですね。
一部の地域では景観を損なうために禁止されていますが、イタリアでは基本的に外干しOKです!
洗濯はお湯で洗うことが普通のようで、どこの家庭でも当たり前のようにやっています。
温度は90°まで上げて使うことが出来るようですが、普段の洗濯では30~40°で洗うことが多いようです。
では90°で洗うものは?というと、下着やシーツ、タオルなど殺菌したいときに高温で洗うこともあります。
なぜお湯で洗うのが当たり前になったのか?
それは、イタリアの水質が「硬水」であるためです。
日本の水は「軟水」で洗剤の泡だちも抜群なのですが、硬水は洗剤との相性がとても悪く、なかなか泡立ちません。
そこで、冷水ではなくお湯を使って泡立ちをよくしよう!となり、「洗濯にはお湯」これが普通のことになりました。
柔軟剤ですが、香水好きのイタリア人はたくさんの量を使います。
また、硬水で洗うと繊維が固くなってしまうこともあり、柔軟剤の量が増えてしまうようです。
スーパーなどでの洗剤の売り場面積はとても広く、日本の売り場の2倍ほどあります。
イタリアでの需要の高さがうかがえますね。
生まれながらの洗濯人がいる!インドの洗濯事情
インドでは貧困差がとても激しく、まだまだ洗濯機を持っている家庭は少ないようですね。
インド国内では8.8%、農村部ではわずかに0.6%、都市部では27.5%の普及率です。
じゃあ洗濯はどうしているの?
インドといえば「ガンジス川」です。
川で洗濯というのはインドでは普通のことですが、そこにはゴミや糞、体を洗った石鹸の泡、死んだ人の遺灰までもが流されています。
しかし、インド人にとってガンジス川は「聖なる川」ですので、全く気にする人はいません!さすがですね。
また、インドでは「カースト制度」というものが未だに残っていて、身分によって仕事も結婚もさまざまなことが生まれながらにして決まっています。
その中に「ドビー」という仕事があります。
「ドビー」とはヒンディー語で「洗濯人」という意味です。
ドビーの家に生まれた子は、この先もずっと洗濯を仕事として生きていくことが決められます。
洗濯場は100年以上の歴史がある「ドビー・ガート」という大きな建物で、観光地にもなっているようです。
主に洗濯するものは、ムンバイのホテルや病院のリネンで、家庭の洗濯物はほとんどありません。
洗濯も昔ながらの方法で、コンクリートや石に叩きつけ汚れを落とし、もちろん脱水機もないため手で絞るのでとても重労働です。
ドビー・ガートでは約5000人が働き生計を立てています。
インド人にとってはなくてはならない大切な仕事といえますね。