最近、巷で何かと耳にする機会が多い「第3の○○」
「第3のビール」…ビール、発泡酒とは異なる原料を使用した、ビール風味の発泡アルコール飲料
「第3の脂肪」…生活習慣病を招く新たな原因として注目されている、心臓、筋肉、肝臓にたまる脂肪
「第3のエコカー」…既存のエンジン技術を高めて超低燃費を実現したガソリン車
では、「第3の洗剤」とは、一体何を指しているのでしょう?
答えは、CMでも話題となり、2014年のヒット商品にも選ばれた「第3の洗剤」こと“ジェルボール”です。
今回は、そんな“ジェルボール”にスポットを当ててみたいと思います。
ジェルボールなら計量要らず・手間要らず
次々と新しい商品が発売されながら、各社とも「どんぐりの背くらべ」的な飽和状態が続いていた、近年の洗濯洗剤業界。
そんな中、彗星の如く現れ大ヒットを飛ばしたのが、「洗濯界の革命児」としても名高い、「第3の洗剤」こと“ジェルボール”です。
ジェルボールとは、洗濯用洗剤を水で溶けるフィルムに閉じ込めたもの。
ぷにぷにとしたジェル状の感触が新しく、最高に気持ちが良いともっぱらの評判ですが、大ヒットに繋がった理由はもちろんそれだけではありません。
多くの人を虜にしたジェルボールの1番の魅力は、「1回の洗濯に1個のジェルボールをポンと投げ入れるだけ」という手軽さにあります。
一般的な洗濯洗剤であれば、液体タイプと粉末タイプどちらの場合でも、洗濯前にはキャップや付属のスプーンを使っての計量が必須でしたが、ジェルボールを使えばその手間から解放されるのです。
手間的には本当にわずかな作業かもしれませんが、一度体験すると「たかが計量」から「されど計量」へと考え方が一変し、あまりの手軽さ・便利さから手放せなくなるという方が続出しています。
気になる洗浄力も申し分なく、従来の液体洗剤と比較をしても、軍配はジェルボールに上がるという声が大多数。
その上消臭効果も高く、従来品よりも2倍の消臭パワーを秘めています。
世界のトレンドは既にジェルボールという事実
ジェルボールは現在、国内では以下の2製品が発売されています。
■アリエール パワージェルボール
アリエール洗剤では一番消臭効果が高く、雑菌臭も抑えてくれるため、部屋干しにも向いている
■ボールド ぷにぷにっとジェルボール
洗浄力の高さと、持続性の高いエレガントブロッサム&ピオニーの香りが特徴
日本ではまだまだ“新参者”と言えるジェルボールですが、海外では既に多くの国(25ヶ国)で普及しており、
2001年に発売したイギリスでは市場の約20%を占めています。
また、2012年に発売開始となったアメリカでも、1年後にはシェアが約8%にまで拡大。
現在、日本で発売中のジェルボールは、日本の洗濯環境に合わせて5年の研究・開発期間が費やされたということで、今後どこまで市民権を得られるのかという点で注目されています。
メリットがそのままデメリットにも繋がるジェルボール
その真新しさから、メリットばかりに目が行きがちなジェルボールですが、そこには目を瞑ってばかりもいられないデメリットというのが、少なからず存在しています。
■少量での使用(量の調節)ができない
「計量要らず」という手軽さ・便利さで大ヒット商品となったジェルボール最大の利点が、そのまま裏目に出た部分です。
洗濯物の量に関わらず、「1回につき1個」投入しなくてはいけないため、洗濯物の量が少ない時にそのまま使ってしまうと、明らかにコストパフォーマンスが悪くなります。
少量時は液体洗剤(粉末洗剤)にするなど、洗濯物の量によって使い分けることが必要かもしれません。
また、洗剤がフィルムに閉じ込められているため、従来品のように頑固な汚れ部分に直接付けるといった使い方もできません。
■香りが強い
ジェルボールの特徴のひとつに、「良い香りが長続きする」というものがあります。
しかし、これも人によっては当然評価が割れる部分であり、特に最近の柔軟剤の香りに対して嫌悪感を持っているような方は、ご使用を控えた方が無難かもしれません。
すすぎの回数を増やしても、あまり香りに変化は見られないため、注意が必要です。
■お菓子のような見た目・触感が招く誤飲
まるでゼリーやグミキャンディのように、フニフニ・プニプニした見た目と触感から、小さいお子さんがお菓子と勘違いして口に入れてしまう事例が後を絶たないようです。
従来の洗剤と同じように、保管する際は子どもの手の届かない場所に置いておくことを徹底しましょう。
■熱で溶けやすい
ジェルボールの耐熱温度は35度までと意外と低いため、保管場所の環境によっては溶け出してしまいます。
特に、暖房機器の近くや夏場の車内は要注意。
閉め切った車内に忘れて放置してしまうと、あっと言う間に溶けて使い物にならなくなりますので、くれぐれもお気をつけください。