一般的に、汚れた衣類は“洗濯”をすることによって、その服本来の“価値”を取り戻します。
ところが、中には例外もあり、「洗えば洗うほど価値が下がる衣類」というのが存在するのもまた事実。
たとえば…芸能人や歌手、スポーツ選手らの“サイン”が入った衣類などは、まさにそれですよね。
衣類に入った貴重なサインを消さずに残すには、できるだけ袖を通すことや洗濯は避け、そのまま保管するのがベストですが、何かの拍子に汚れをつけてしまうケースも無きにしも非ず。
そんな時はどのような洗い方をすれば、汚れをしっかり落としつつ大事なサインも長持ちさせられるのでしょうか…?
はじめに知っておいて頂きたいこと
まず、結論から言わせて頂くと、洗濯をする以上、サイン入り衣類を完全な状態で保つことは事実上不可能と言わざるをえません。
なぜなら、洗濯で汚れを効率的に落とすには、
- 温度(水温)
- 化学力(洗剤)
- 物理力(揉み・擦り)
上記3つの要素を組み合わせる必要があるからです。
あなたにとって思い入れのあるサインでも、洗剤にとっては“単なる汚れの一種”という認識でしかないことを胸に留めておきましょう。
たとえサインが消えてしまっても、彼ら(洗剤)を責めることできません。
彼ら(洗剤)は自分の“任務”を全うしたにすぎないのですから…
そのため、ここではあくまでも「洗濯で汚れを落としながらも良い状態を保ちたい」という場合の方法をご紹介いたしますので、お試しになる際にはその点をご了承下さい。
サイン入り衣類の洗い方~中性洗剤を使う
洗剤には中性・酸性・アルカリ性などいくつかの種類があり、一般的に洗浄力は酸性・アルカリ性どちらかの性質が強い洗剤の方が高いと言われています。
しかしその反面、衣類の生地へ与えるダメージも大きくなってしまうため、できるだけ負担を減らしたいサイン入り衣類にとっては好ましくありません。
少しでも良い状態を保とうと考えた場合、ここでは比較的負担の少ない中性洗剤を使用しましょう。
また、今回の目的はあくまでも“サインを残す”ということになりますので、漂白剤入りの洗剤などはもっての他。
漂白剤の入っていない中性洗剤としては、エマールなどがおすすめです。
サイン入り衣類の洗い方~サインの部分を保護する
サイン入り衣類を洗う際には、使用する洗剤を厳選すると共に、
- サイン部分を裏返す(内側にする)
- 洗濯ネットに入れる
- 単品で洗う
こうした方法で、洗う工程での物理的ダメージから衣類を保護することでも、保存状態を保つことが可能です。
重要なのは、とにかくサイン部分への負担を減らす事。
揉みや擦れによるサイン部分への直接的な負担を減らすと共に、他の洗濯物からの色移り、ボタンやホックなどのパーツによるダメージも防ぐという観点から、なるべく単品で洗いたいものです。
サイン入り衣類の洗い方~洗濯機を使用する場合
何度も言いますが、サイン入り衣類を洗う上で重要なのは、生地へのダメージを極力減らすこと。
そのため、洗う時も“とにかく優しく”ということが基本になります。
“手洗い”と“洗濯機”を使った方法であれば、当然“手洗い”の方が自分の手で洗い加減を調節できるため、サイン入り衣類の洗い方としては適しています。
では、洗濯機を使う場合はどうしたらいいのでしょう?
洗濯機の場合も、基本は“優しく”です。
手洗いモードやソフトコース、ドライコースなど、できるだけ負担の少ないコースを選びましょう。
また、洗濯機で洗う場合は、洗いの時間もなるべく短時間に設定しましょう。
実際には、洗う物や汚れの状態によって異なることも多いのですが、長くても5分程度の範囲内で収めることをおすすめします。
長時間の洗濯は、生地へのダメージが大きくなるだけですし、物によっては早めに切り上げてしまうことも必要です。
その際、短い時間では落ちそうにない頑固な汚れがある場合は、洗濯機で洗う時間を長くするよりも、事前に中性洗剤を溶かしたぬるま湯につけ置きしておくと良いでしょう。
ただし、中にはつけおき洗いでも色落ちしてしまうケースがありますので、サイン部分に汚れが無い限り、汚れ箇所だけをつけ置きした方が無難です。
サイン入り衣類の洗い方~差が付く仕上げの干し方
使用する洗剤を厳選し、洗うコースや時間に気を配っていても、最後の仕上げである干し方を誤ってしまうと、効果は半減。
干す時にも出来るだけ生地への負担を少なくすることを第一考え、
- サインの部分を表に出さない(裏返す)
- 日陰で干す
という点を心掛けるようにしましょう。
早く乾かしたい時には、ついつい日当たりの良い所に干しがちですが、強い日差しは退色の原因に繋がります。
そのため、サインが入った部分は裏返し、直射日光を避けた干し方をするのがベストな方法と言えます。