と言うのも、Yシャツは襟、肩、袖口など複数のパーツが複雑に組み合わさっていることに加え、
「あっちを広げて…」
「今度はこっちを広げて…」
とシャツを動かしているうちに、一度アイロン掛けを行った部分に再度シワを作ってしまいがちなのです。
そこで今回は、先ずはYシャツよりも簡単で初心者さん向きな「Tシャツ」を使って、アイロン掛けに慣れることから始めてみましょう。
Tシャツもアイロン掛けのひと手間で見違えるほどの仕上がりに
洗濯・脱水後のシワのでき具合にもよりますが、基本的にTシャツは綺麗に干すことさえできれば、ほとんどの場合でアイロン掛けをする必要がない衣類と言えます。
しかし、一度でも洗濯経験のある方であればおわかりになると思いますが、Tシャツは「それほどシワを気にしなくても良い衣類」なだけであって、「全くシワが付かない衣類」ではありませんよね。
洗濯かごの中からシワクチャに丸まったTシャツを引っ張り出してハンガーに掛け、そのまま自然乾燥…
それはどこのご家庭でも見られる、ごくごく一般的な光景であり、言うなればそれが「Tシャツに与えられた運命」と言っても過言ではありません。
「Tシャツのシワなんて着ているうちに自然と伸びるからそのままでいいよ」という方も多いことでしょう。
しかし、アイロン掛けをしたTシャツとアイロン掛けをしていないTシャツを比べると、
やはりアイロン掛けをしたTシャツの方が見栄えが良いのは言うまでもありません。
Tシャツにアイロン掛けをする手順
まず、重要なのはアイロンの温度設定です。
大抵のTシャツには綿素材が使われていると思いますので、ここでは基本的に高温(約200℃)にセットしましょう。
仕上げの方法はドライアイロンです。
しかし、場合によってはスチームを使用するケースもありますので、状況によって使い分けましょう。
①左の袖部分からアイロン掛けをする
色が濃いTシャツをアイロン掛けする場合、当て布をしていても縫い代部分に「アタリ」が出てしまうケースがあります。
「アタリ」とは、アイロンなどの圧力で生地表面の繊維が潰されて平らになることにより、太陽光や蛍光灯などの光が反射して、生地がテカテカに見えてしまう現象です。
アタリを防ぐには、アイロンを直接生地に当てず、
少し浮かしてスチームを出しながら仕上げるのがコツになります。
それでもシワの伸びが悪い場合は、霧拭きや市販の仕上げ剤などを使うと効果的です。
②右の袖部分にアイロン掛けをする
左の袖部分のアイロン掛けが済んだら、今度は右の袖部分にアイロン掛けを行います。
その時、せっかくアイロン掛けした左袖に再度シワが発生しないように、アイロン台へセットする際には以下のポイントに気をつけましょう。
- 左手で後ろエリの中心(タグがある部分)を持ち上げ、左手で右袖を持つ
- 左手で持った右袖を引っ張り気味にして、そのままアイロン台に置く
このようにセットすることで、先にアイロン掛けを行った左袖にシワが発生しにくくなります。
③身頃にアイロン掛けをする
Tシャツをアイロン台にセットして、「右身頃」にアイロン掛けを行います。
「身頃」とは、衣服の袖や襟、おくみなどを除いた、体の前面や背面を覆う部分を言います。
簡単に言うと、「胴体部分」です。
この際、もし身頃部分にプリントなどがある場合は、そこに直接アイロン掛けをしてしまうとプリント部分が熱で溶けてしまいますので、必ず当て布を使うようにしてください。
もし、適当な当て布がない場合は、代わりにハンカチを使ってもOKです。
右身頃のアイロン掛けが終わったら、アイロン台でTシャツを手前にずらして、今度は同じように左身頃にアイロン掛けを行ってください。
④完成
洗いざらしのTシャツもそれはそれで良いものですが、Yシャツのようにピシッ!と決まったTシャツも気持ちが良いものだと思いませんか?
まとめ~Tシャツにアイロン掛けをする時に気をつけること
Tシャツをアイロン掛けする時の注意点は、「アタリ」を出さないことと、身頃のプリント部分に当て布をすることです。
「①左の袖部分からアイロン掛けをする」の部分でも触れたように、特に濃色のTシャツは縫い代にアタリが出やすいため注意が必要です。
また、プリント部分に当て布をしないでそのままアイロン掛けをしてしまうと、大切なTシャツのプリントが溶けてしまうだけではなく、アイロンの掛け面にも付着してしまい、その後の使用にも影響が出てしまうため、当て布は絶対に忘れないようにしてくださいね。
「え?、Tシャツにアイロン掛け?」
「アイロン掛けをする衣類の代表と言えば、やっぱりYシャツでしょう!」
言われてみれば、確かにその通り。
そんな声が聞こえてきてもおかしくはありませんが、実はYシャツというのは、初めてアイロン掛けをする方にとっては少々難易度が高めと言わざるを得ません。