今や日本人の4人に1人…およそ25%もの人が発症していると言われ、さながら国民病のような様子も呈している“花粉症”。
毎年花粉が飛び散る季節になると、外出した際に多くの花粉が衣服に付着してしまうため、外から帰宅してもそのまま家に持ち込まれてしまうケースが少なくありません。
ここでは、洗濯を通して衣服への花粉の付着を軽減させ、綺麗に洗い落とす方法を見ていきたいと思います。
国民病“花粉症”のメカニズム
そもそも“花粉症”とは、一体どのような症状を指すものなのでしょうか?
花粉症の主な症状は、「くしゃみ」「鼻水」「鼻づまり」など。
一見すると鼻風邪の症状とよく似ているように思われますが、
✔ 涙が出る
✔ 熱が出ない
こうした点で、鼻風邪とは大きく症状が異なります。
また、鼻風邪は風邪菌によって引き起こされるウィルス性の症状ですが、花粉症は花粉によって引き起こされるアレルギー症状という点でも、両者には明確な違いが存在します。
花粉は目や鼻などの粘膜に付着すると、涙などの体液によって花粉が割れ、中から花粉症の原因となる“アレルゲン”が流れ出ます。
すると、「くしゃみ」「鼻水」「鼻づまり」といったアレルギー症状が引き起こされるのです。
ちなみに、花粉症の中でも最も多い症例が、2月~4月頃にかけて飛散する“スギ花粉”によるもので、花粉症の人の8割はスギ花粉が原因と言われています。
外出前に行う花粉症対策
衣類に付着した花粉は、洗濯によって綺麗に除去することが大切ですが、その前段階…身につける衣類の繊維に気を使うことで、付着する花粉の量は大幅に軽減させることができます。

花粉が付きにくい繊維は、綿やポリエステルなどの化学繊維で、表面がツルツルした素材になります。
逆に、表面がでこぼこしているフリースやニット、毛皮や毛羽のある生地、毛足の長いセーターは花粉が付着しやすくなりますので、出来るだけ避けた方が無難です。
どうしてもそうした衣類を着用する時は、アウターにポリエステルのコートなどを羽織るのがおすすめです。
そして、帰宅した際には帽子や洋服についている花粉を“上から順番に”振り払いましょう。

また、外出前の花粉症対策としてもうひとつおすすめなのが、“静電気防止スプレー”の使用です。
着用している衣類に静電気が発生すると、ゴミやホコリと共に花粉も吸い寄せられやすくなります。
そのため、事前に“静電気防止スプレー”をかけることによって、衣類に花粉が付着するのを防ぐのです。
スプレーした衣類は乾いてから着用しましょう。
濡れたままだと繊維に花粉が絡みやすくなるため、逆に花粉が付着してしまいます。
外出後に行う花粉症対策
衣類に付けて外から持ち込んだ花粉は、洗濯で綺麗に取り除きます。
ご家庭で水洗いできる衣類はこまめに洗濯して花粉を洗い流し、花粉が付着したままタンスやクローゼットに保管するすることが無いよう気をつけましょう。

そして、さらにここでワンポイント。
仕上げには“柔軟剤”を使い、静電気の発生を抑えましょう。
前述したように、衣類に静電気が帯電していると、花粉を寄せ付けてしまいます。
柔軟剤には静電気の発生を抑える働きがありますので、ご家庭で洗濯する時には柔軟剤を入れると効果的です。
また、乾燥の仕方も重要です。
「洗濯物は天日干し!」という主義の方であっても、花粉が多く飛散する時期の洗濯物の乾燥は、部屋干しがベスト。
乾燥機をお持ちの方は、乾燥機を有効的に活用していきましょう。
それでも「外で干さないことには気が済まない!」という場合は、干し終わった後に一枚一枚、よ~く振り払ってから取り込むようにしてください。
ちなみに、洗濯は夜にしてそのまま夜干しするというケースも多いと思いますが、実は昼間よりも夜に洗濯物を外で干す方が、花粉の付着量は多くなりやすいと言われています。
これは、昼間に飛散して地面に落ちた花粉が、夜になると夜風で舞い上がっていることが多いためだとか。
さらに、夜は昼間に比べて単純に湿度が高いため、花粉がより衣類に付着しやすい条件が揃っています。
夜干しをする際には、十分ご注意くださいね。
柔軟剤を使った室内での花粉症対策
今回は、外出前・外出後にできる花粉症対策をご紹介してきましたが、最後に“室内での花粉症対策”についてお話したいと思います。
■用意するもの

- 軟剤
- バケツや洗面器
- 雑巾
- 水
バケツや洗面器に入れた水で、洗濯用の柔軟剤を5倍に薄めます。
その後、柔軟剤を希釈した水で絞った雑巾を使い、 テレビやパソコン、ゲーム機、洗濯機など、静電気が帯電しやすくホコリが溜まりやすい場所を丁寧に拭き上げていきましょう。
柔軟剤に配合された静電気を防止する成分の働きによって、花粉が付きにくくなりますよ。
ぜひ一度、お試しください!