オーガニックコットン…なんとも平和的で体に優しそうな響きのある言葉に感じるのは、私だけでしょうか?
そもそも、オーガニックコットンとは何でしょう?
オーガニックコットンとは、化学肥料や農薬を使わずに栽培する綿花を指し、その綿花を使った製品には以下のような特徴があります。
- 洗うたびに吸水性が増す
- 自然乾燥させるとより一層の柔らかさとふんわり感になる
そんなオーガニックコットンの気持ちよさと風合い少しでも長く保つために、今回は洗濯方法を中心とした取扱いテクニックをご紹介したいと思います。
オーガニックコットン製品を洗う時の基本事項
ファスナーなどが付いている衣類と一緒に洗濯する場合や、タオル以外の衣類などと一緒に洗濯する場合は、洗濯ネットを使いましょう。
ファスナーでパイルが傷んだり、糸くずやホコリがパイルに絡まる恐れがあります。
気になる方は、一般的な洗いものとオーガニックコットンを使った洗いものを分けて洗濯することをおすすめします。
水の温度は風合いを保つため、30℃~40℃以下に抑えましょう。
手洗いの場合でも製品が収縮することもありますので、つけ置き洗いはせずに短時間で済ませることが重要です。
また、オーガニックコットンの衣料品=白というイメージをお持ちの方は多いと思いますが、天然染めで染色された製品も数多く存在します。
天然染めの製品は他の衣類へ色が移ることがありますので、洗濯前に仕分けを行ってください。
天然染め製品の場合、繰り返しの洗濯や、日焼けにより徐々に色が薄くなっていきますが、これは自然の作用であることをご理解ください。
一般的な衣類に比べてオーガニックコットンを使った衣類の方が制約が多いのは、洗濯することで発生する製品の歪みや縮みを抑えるための、様々な化学薬品処理を行っていないから。
そのため、洗濯後は製品の縮みや歪みが起きやすくなりがちなのです。
オーガニックコットン製品を洗う時の洗濯洗剤について
ひとつの製品として完成するまで、極力手を加えていないのがオーガニックコットンの特徴です。
そのため、洗濯の際には天然成分を主とした洗濯石けんを使うことをおすすめします。
蛍光漂白剤を含んだ合成洗剤を使用すると、変質や色むらを引き起こすことがありますので、注意が必要。
自然派素材のオーガニックコットンと、環境に優しい洗濯石けんは相性が抜群なのです。
また、最近ではオーガニックコットン製品専用の洗濯洗剤も販売されていますので、そうした専用品を使うというのもひとつの方法です。
オーガニックコットン製品を洗うときの漂白剤・柔軟剤について
オーガニックコットンは純粋に洗濯を重ねるだけで柔軟性が増し、吸水性も良くなります。
漂白剤・柔軟剤を使うと、オーガニックコットンの生地を傷めたり、毛羽立ちの原因に繋がるだけではなく、逆に吸水性が損なわれてオーガニックコットン本来の性質を低下させてしまう恐れがあります。
そのため、漂白剤や柔軟剤のご使用は、なるべく控えるようにしてください。
オーガニックコットン製品の生地(パイル)がほつれたとき
生地の表面がほつれ、そこからパイルが出てきたときは、絶対に引っ張ってはいけません。
飛び出たパイルはハサミで切って整えて下さい。
そのまま放置すると引っかかってほつれが悪化しますので、早めに処理するよう心掛けましょう。
オーガニックコットン製品の上手な干し方
オーガニックコットンは乾く時に、ふんわりした本来の自然な状態に自ら戻ろうとする性質があります。
そのため、乾燥機を使用すると縮みや傷みを招き、本来の質感や風合いを損ねるため、風通しの良い場所で自然乾燥させるのが一番です。
その際、直射日光に当てると、変色や硬化を起こす場合がありますのでご注意ください。
また、やさしく四方に引っ張って歪みを直してから干すと、型崩れを防止できます。
オーガニックコットン製品の綿かすや汚れの付着について
オーガニックコットンは、一般的な繊維製品では当たり前のように行われている、製品加工後の「漂白」や「薬品洗浄」といった工程を全く踏んでおりません。
そのため、加工後のオーガニックコットン製品には、綿かすや僅かな汚れが付着しているケースががあります。
綿かすは、黒っぽいゴミのようにも見えるシミ。
これは生地を作っている際に、綿の葉や茎の破片が入り込むことによって発生するものですが、品質的には全く問題ありません。
汚れについても同様です。
これらの問題は、化学薬品を使わないオーガニックコットン製品ならではの特徴と言えます。
製品に付着した僅かな汚れや綿かすは、洗濯を繰り返すことによって少しづつ目立たなくなりますので、ご安心ください。
また、化学薬品を使った処理を行わないオーガニックコットン製品のもうひとつの特徴として、製品の色調や明度が一定ではないというものがあります。
これは、綿花の栽培している時の気温や湿度、栽培地域の違いからくるものですので、これもひとつの味として楽しみましょう。